Author Archives: daytripper

SWDTR 11 R.N.A. ORGANISM『Unaffected Mixes plus』

R.N.A. ORGANISM
『Unaffected Mixes plus

¥4,400 (with tax)
SWDTR 11
LP(2枚組)レコード
2021年7月23日リリース

日本のオルタナティヴ・ミュージック黎明期を代表するユニットとして注目される”R.N.A.オーガニズム”の未発表ミックス音源集が2LPで発売!Vanityレーベルから1980年に発売された唯一のアルバム制作時の別ミックス/ヴァージョンが、40余年の眠りから今ついに目覚める……。アブストラクトでフリーキー、オリジナル盤とは異なるアスペクトでその全貌を明らかとしたヴァイナル決定盤!!

<作品概要>
終わりの見えないCOVID禍の最中に送る2枚組LPは、日本のポスト・パンク期を代表するユニットとして再評価の機運高まるR.N.A.オーガニズムの未発表ミックス音源集『Unaffected Mixes plus』だ。同ユニット唯一のLP『R.N.A.O Meets P.O.P.O』(Vanity 0006, 1980)では、都会的なアフォリズムとエレクトロ・ミニマリズムを背景として、様々なガジェットを用いたスーパーチープなオルタナ・ダブを展開。海外を中心に「日本の元祖ミュータント・ポップ」などと評され、Vanity作品の再発も相まって話題となっていた。2020年に同レーベルのボックスセット限定で未発表ミックス集『Unaffected Mixes』を発表し、単独での同作品発売が待たれていたが、収録トラックが多少異なる本作『Unaffected Mixes plus』という形でリヴァイス発売となった。※ φonon よりCD決定盤『Unaffected Mixes ±』(SPF-022) も発売される。
一聴してわかるのが、Vanityのオリジナル盤LPとは印象がかなり異なることだ。当時スタジオで録音された多くの断片から、メンバー/プロデューサーによって切り貼りや編集が施されカセットテープに残されていたこれらの音源には、ユニットの方向性がよりヴィヴィッドに示されているのだろう。とはいえどちらも、70年代後期から80年代初頭に勃興した世界のインダストリアル・サウンドに共鳴するレシピから提供された貴重な記録となっており、COVID渦中に混合雑音突然変異した無機的生命体からの箴言でもある。

「R.N.A.オーガニズムのサウンドには彼ら独自の皮肉なユーモアと冷め切ったミニマリズム、スキゾフレニックなサウンド・コラージュが錯綜している。」──野田 努

Track List:
A
01 Marcia su Roma
02 Substance Came from You (Singular)
03 After Post
04 Bring es zu Nichts
05 Geuliseudo Seongtanjeol

C
01 African Development of Mutation
02 Pravda Diletant
03 Matrixing Contagion

G
01 Vor 22
02 Substance Came from You (Plural)
03 Post Later
04 Naughty Astronaut

U
01 Nativita e Presepi
02 Codice sur Africa
03 I Dilettanti
04 Matriks Berjangkit

SWDTR 10 mfp『Mindfull Beats Vol.2』

mfp
『Mindfull Beats Vol.2』

¥1,500+税
SWDTR 10
2020年12月18日リリース

Amazon  https://amzn.to/2HKcvPZ

大阪在住のビートメイカー/プロデューサー/DJであるmfpが2012年にDay Tripper Recordsより発表したアルバム。しっかりとした音像で自由自在にモタるグルーヴィーなビート・プログラミングや、チルやドリーミーなフィーリングからEDMとの同時代性を感じさせるような煌びやかさまで備えたシンセの扱いは、LAのビート・シーンやハドソン・モホークとの共振を感じさせるだけに留まらない多彩さを持ち、Day Tripper Recordsが掲げる「惑星への小旅行」というコンセプトへの実に力強い応答となっている。

<作品概要>
大阪在住のビートメイカー/プロデューサー/DJであるmfpが2012年にDay Tripper Recordsより発表したアルバム。
彼はこれまでにロサンゼルス、 ニューヨーク、トロント、 モントリオールなど数多くの都市へ在住歴があり、そこでのライブやラジオ出演で評価を得るほか、国内ではOilWorksからのIchiroとのスプリット12インチEP『Mindful Beats Vol.1 / Tape Grains』、海外ではジャイルス・ピーターソンのレーベ ルBrownswoodからのコンピレーション『Brownswood Electric 2』に楽曲を提供するなどのリリースがある。ONRAやDorian Concept、Teebs などの来日公演にもサポート・アクトとして出演しており、海外のビート・シーンとも深い関りを持ったアーティストだ。
本作『Mindfull Beats Vol.2』はタイトルの通りOilWorksからのリリースの続編と捉えられ、正に先掲の経歴が示すようなビート・メイカーとしての豊富なクリエイティビティが詰め込まれた渾身の一作となった。しっかりとした音像で自由自在にモタるグルーヴィーなビート・プログラミングや、チルやドリーミーなフィーリングからEDMとの同時代性を感じさせるような煌びやかさまで備えたシンセの扱いは、LAのビート・シーンやハドソン・モホークとの共振を感じさせるだけに留まらない多彩さを持っており、Day Tripper Recordsが掲げる「惑星への小旅行」というコンセプトへの実に力強い応答となっている。
ダブステップから多様なポスト・ダブステップへという流れに代表される同時代のダンス・ミュージック、Flying Lotus以降大きな広がりを見せた(IDMの複雑性を昇華したうえでの)ビートメイク・シーンの隆盛、そしてチル・ウェイブ~ウィッチ・ハウスといったベッドルーム発の音楽動向までを視野に入れたDay Tripper Recordsのカタログの中でも、本作はその方向性をストレートに体現したような音楽性を持ち、なにより『Mercury』に続くレーベル第二弾のリリースであることから、ある種名刺代わりのような位置づけを見出せる力作だ。 よろすず

Track List:
01. intro (Wat u say?)
02. theme for the movement
03. watch out. twinkle!
04. feel & touch my hear
05. field of flowers (You & You)
06. running away
07. patch bay
08. stay way from my pocket
09. astral diving
10. zen funk _ r u savin’ me?
11. you got style!
12. steppin’ into changes
13. yes, I luv u
14. one mo’girl
15. outro (old time love)

SWDTR 09 doopiio『Syrup Gang』

doopiio
『Syrup Gang』

¥1,500+税
SWDTR 09
2020年12月18日リリース

Amazon  https://amzn.to/3kGHKd3

それぞれ大阪と京都在住の2人組ユニットdoopiio(ドーピオ)が2013年にDay Tripper Recordsより発表した初アルバム。彼らは2011年に活動を開始し、音源制作やライブだけではなく映像を含めたインタラクティブな作品も制作している。本作『Syrup Gang』にはジューク/フットワーク、LAビート・ミュージック、IDMなどの影響を感じさせる9つのエレクトロニック・トラックが収められており、中でも「Water Blink」「Syrup Gang」「Red Lips」などのジューク要素の強いトラックの印象が鮮烈。日本における独自のジュークの需要の可能性すら感じさせてくれる一作だ。。

<作品概要>
それぞれ大阪と京都在住の2人組ユニットdoopiio(ドーピオ)が2013年にDay Tripper Recordsより発表した初アルバム。
彼らは2011年に活動を開始し、音源制作やライブだけではなく映像を含めたインタラクティブな作品も制作し、インターネットと音楽を通じて新しい繋がりを求める人々の為のインターネットラジオ「Fokus」を立ち上げるなど多方面へとその領域を拡張している。
本作『Syrup Gang』にはジューク/フットワーク、LAビート・ミュージック、IDMなどの影響を感じさせる9つのエレクトロニック・トラックが収められており、中でも「Water Blink」「Syrup Gang」「Red Lips」などのジューク要素の強いトラックの印象が鮮烈だ。しかしながらそのようなトラックが、ここでは「Diving Motion」や「En O Se」などのダウンテンポなトラックと織り交ぜられることで個別の機能性だけでなく物語性をも獲得していることがより興味深い。点的なシーケンスが徐々に重ねられることで展開していく「As-Para」の後半においてクライマックス的に表れるジューク的なビートも彼らなりの機能性に留まらないエッセンスの昇華を鮮やかに感じさせる。
ダブステップから多様なポスト・ダブステップへという流れに代表される同時代のダンス・ミュージック、Flying Lotus以降大きな広がりを見せた(IDMの複雑性を昇華したうえでの)ビートメイク・シーンの隆盛、そしてチル・ウェイブ~ウィッチ・ハウスといったベッドルーム発の音楽動向までを視野に入れたDay Tripper Recordsのカタログの中でも、本作『Syrup Gang』はジュークの要素を大胆に取り入れており、またそのエッセンスの活かし方においても創意が見られ、日本における独自のジュークの需要の可能性すら感じさせてくれる一作となっている。
よろすず

Track List:
01. water blink
02. Summit House
03. Phara
04. Diving Motion
05. Aspara
06. Fat Lady March
07. Syrup Gang
08. enOse
09. Redlips

SWDTR 08 Death Flamingo Into the Memai『Fictional Pop』

Death Flamingo Into the Memai
『Fictional Pop』

¥1,500+税
SWDTR 08
2020年11月20日リリース

Amazon  https://amzn.to/3kVglE7

Yuta inoue とRyo takada により2011年に結成されたポップユニットDeath Flamingo Into the Memaiが2012年にDay Tripper Recordsより発表した初アルバム。元々フォークやポスト・クラシカルなどを意識した自主制作EPの制作から本格的な活動をスタートさせた彼らだが、2012年からはビート/ベース・ミュージックなどを独自の解釈で吸収し作風の幅を広げており、本作ではそれによって得られた新たな語彙が彼らの最大の魅力である遊戯性をより鮮やかに響かせる。

<作品概要>
Yuta inoue とRyo takada により2011年に結成されたポップユニットDeath Flamingo Into the Memaiが2012年にDay Tripper Recordsより発表した初アルバム。
彼らは元々フォークやポスト・クラシカルなどを意識した自主制作EPの制作から本格的な活動をスタートさせ、2012年3月には「Radical Face & miaou Japan Tour」のオープンニングアクトを務め、2012年からはビート/ベース・ミュージックなどを独自の解釈で吸収し作風の幅を広げていた。
本作『Fictional Pop』もその段階での作品であり、奔放なドラムブレイクやシンセの扱いと不意に浮かび上がるメロウな歌声の交錯が強力なフックとなりながらも、一定のグルーヴで聴き手を放さず、いうなれば音世界をキープするような時間もあり、特にアルバムの前半ではそれが効果的に機能している。アルバムの後半では彼らの持ち味である遊戯性が炸裂していくが、そこまでの導線として働く“キープ”という語彙の存在によってそれはより鮮烈に響く。
ダブステップから多様なポスト・ダブステップへという流れに代表される同時代のダンス・ミュージック、Flying Lotus以降大きな広がりを見せた(IDMの複雑性を昇華したうえでの)ビートメイク・シーンの隆盛、そしてチル・ウェイブ~ウィッチ・ハウスといったベッドルーム発の音楽動向までを視野に入れたDay Tripper Recordsのカタログの中でも、彼らは2011年結成とそのキャリアが浅く、故にレーベルの先見の明を感じられる一作といえるだろう。アーティスト自身がデザインした様々な顔を見せるアートワークもサウンドのフリーキーさを映しており目を凝らすほどに魅力的だ。

よろすず

Track List:
01. cha-cha-cha chunky heel
02. 渚のベジタリアン
03. crayon eater
04. shellfish allergy
05. Yomaheng
06. muscle pain of love
07. lemonade boys
08. バイバイ
09. fictional pop

SWDTR 07 Ogiyy『Duality』

Ogiyy
『Duality』

¥1,500+税
SWDTR 07
2020年11月20日リリース

Amazon  https://amzn.to/3496Ie9

1987年生まれ京都府出身、Jazzy SportやBeat Dimensions以降のビートシーンに影響を受けたというトラックメイカーOgiyyが2012年にDay Tripper Recordsより発表した初アルバム。陰と陽、光と影、都市と自然といった二重性をテーマとした全20曲が収められており、各トラックは音色の鮮やかさとは対照的に構造的にはシンプルさを保っている点が印象深い。多くが2~3分程度で流れていき、過度な昂ぶりを表現するより直感的に伝わる快楽性と足取りの軽さを重視したような仕上がりには、彼の創作スタンスが如実に表れている。

<作品概要>
1987年生まれ京都府出身、DJ Qbertに影響を受け16歳からDJを始め、Pete RockやPremier、Jay Deeに影響を受け18歳からトラック制作を開始。
その後Jazzy Sport(GAGLEやCro-Magnonなどをリリースする東京のレーベル/レコードショップ)や、Beat Dimensions(オランダのRush Hourが編纂したビートミュージックのコンピレーション。Flying LotusやHudson Mohawkeが参加)以降のビートシーンに影響を受け、20歳から東京を拠点に移し活動していたトラックメイカーOgiyyが2012年にDay Tripper Recordsより発表した初アルバム。
本作『Duality』には陰と陽、光と影、都市と自然といった二重性をテーマとした全20曲が収められており、各トラックは音色の鮮やかさとは対照的に構造的にはシンプルさを保っている点が印象深い。多くが2~3分程度で流れていき、過度な昂ぶりを表現するより直感的に伝わる快楽性と足取りの軽さを重視したような楽曲の連なりには、彼の創作スタンスが如実に表れている。
ダブステップから多様なポスト・ダブステップへという流れに代表される同時代のダンス・ミュージック、Flying Lotus以降大きな広がりを見せた(IDMの複雑性を昇華したうえでの)ビートメイク・シーンの隆盛、そしてチル・ウェイブ~ウィッチ・ハウスといったベッドルーム発の音楽動向までを視野に入れたDay Tripper Recordsのカタログの中でも、本作『Duality』はビートメイクのシーンにストレートに接続できる音楽性となっており、そういった音楽でこそといえるインスタントに摂取できる快楽性をシンプルに押し出した一作といえるだろう。

よろすず

Track List:
01. Shurin
02. Yadosu Kono Toki feat.Nadsroic
03. Realy Alright?
04. Tell Me
05. Breakthrough!
06. Kyo Mei
07. Steppin
08. Unihipiri
09. Llabyrinth
10. Tokyo Cycle
11. Summer Solstice
12. Slow Dayz
13. Starry Sky
14. Will U Be The One
15. Inor
16. Night Flighti
17. Midtown
18. First Mind
19. After XXX
20. X Day

SWDTR 06 Magical Mistakes『Everything Uncertain』

Magical Mistakes
『Everything Uncertain』

¥1,500+税
SWDTR 06
2020年10月16日リリース

Amazon  https://amzn.to/2D39fgy

カリフォルニア出身で日本への移住やアメリカへの帰国を繰り返しながら様々な場所で音楽活動を続けるErik LuebsによるソロプロジェクトMagical Mistakesが2012年にDay Tripper Recordsより放ったフルアルバム。何度も拠点を移しながらもそれによる“不確かさ”が生む事態を創作の源泉に変えていくような彼の陽性なマインドが表れたトリッピーなビート・ミュージック/エレクトロニカがアルバム全編に渡って展開されている。

<作品概要>
カリフォルニア出身で日本への移住やアメリカへの帰国を繰り返しながら様々な場所で音楽活動を続けるErik LuebsによるソロプロジェクトMagical Mistakesが2012年にDay Tripper Recordsより放ったフルアルバム。
何度も拠点を移しながらもそれによる“不確かさ”が生む事態を創作の源泉に変えていくような彼の陽性なマインドが表れたトリッピーなビート・ミュージック/エレクトロニカがアルバム全編に渡って展開されており、サイケ~ドリーミー~ブーミーなど様々な形容が思い浮かぶ電子音に加えてギターやピアノ、打楽器にストリングスなど多様な楽器の音までも取り入れた雑多なサウンド・パレットが最大の魅力となっている。
ダブステップから多様なポスト・ダブステップへという流れに代表される同時代のダンス・ミュージック、Flying Lotus以降大きな広がりを見せた(IDMの複雑性を昇華したうえでの)ビートメイク・シーンの隆盛、そしてチル・ウェイブ~ウィッチ・ハウスといったベッドルーム発の音楽動向までを視野に入れたDay Tripper Recordsのカタログの中でも、本作『Everything Uncertain』はレーベルが掲げる「惑星への小旅行」というコンセプトを最も真摯に体現した一作といえるだろう。オーガニックなサウンドを多く用いながらも電子音との折衷の中でコズミックなビジョンを立ち上がらせてみせる手腕は後に台頭してくるVOODOOHOPなどのリチュアル・クルーにも通じる。

よろすず

Track List:
01. Big Trip
02. Solitude
03. Perfect Touch
04. With Love (feat. Jake Falby)
05. Bike Ride
06. Bright Light
07. Metamorphosis
08. Breathing
09. Don’t Need Much
10. Relief (feat. Jake Falby)
11. Breathing
12. Later On

SWDTR 05 Leggysalad『Verda Planedeto』

Leggysalad
『Verda Planedeto』

¥1,500+税
SWDTR 05
2020年10月16日リリース

Amazon  https://amzn.to/3grZgif

企業広告映像・TVCMなどへ多くの楽曲提供を行い、fhánaのメンバーとしても活動するkevin mitsunagaによる電子音楽ソロ・プロジェクトLeggysaladが2012年にDay Tripper Recordsより放った1stアルバム。ピアノやギター、ストリングス、ドラムなどのアコースティック楽器を思わせるサウンドと、VOCALOIDを含む様々なボイスサンプルの配置によって情感や彩りに富むポップなエレクトロニカが生み出されている。

<作品概要>
企業広告映像・TVCMなどへ多くの楽曲提供を行い、fhánaのメンバーとしても活動するkevin mitsunagaによる電子音楽ソロ・プロジェクトLeggysaladが2012年にDay Tripper Recordsより放った1stアルバム。
ネットレーベルALTEMA RecordsからのリリースやVOCALOIDを用いた楽曲の動画サイトへの投稿など、ネットを通じて精力的な活動を展開していた彼が発表した初のCD作品となる本作『Verda Planedeto』にはVOCALOIDを含む様々なボイスサンプルを使用した情感や彩りに富むポップなエレクトロニカが収められている。
ピアノやギター、ストリングス、そしてドラムなどのアコースティック楽器を思わせるサウンドを多用したポップスと自然に繋がる音構成が大きな特徴となっており、煌びやなサウンドイメージで全編に統一感をもたらすだけでなく、力強く躍動するドラムサウンドによって生み出されるメリハリの効いた展開が聴き手をしっかりとキャッチする役割を果たしている。
ダブステップから多様なポスト・ダブステップへという流れに代表される同時代のダンス・ミュージック、Flying Lotus以降大きな広がりを見せた(IDMの複雑性を昇華したうえでの)ビートメイク・シーンの隆盛、そしてチル・ウェイブ~ウィッチ・ハウスといったベッドルーム発の音楽動向までを視野に入れたDay Tripper Recordsのカタログの中でも、本作『Verda Planedeto』はインターネットを主戦場としてきたアーティストまでしっかりと拾い上げるレーベル独自の視野の広さを印象付けるものといえるだろう。

よろすず

Track List:
01. invitation
02. in the woods
03. sleeping beauty
04. awakening
05. reunion
06. reminiscences
07. bye
08. walking again

SWDTR 04 And Vice Versa『E.Tender』

And Vice Versa
『E.Tender』

¥1,500+税
SWDTR 04
2020年9月18日リリース

Amazon  https://amzn.to/33bu446

大阪在住のミュージシャン、ビートメイカーである久保雅之のソロプロジェクトAnd Vice VersaがDay Tripper Recordsより放った2ndアルバム。前作『Still Brautiful』よりシンセの音色はより太くサイケデリックに、ビートも心地いいズレやモタりを取り込みつつ低域の存在感が増したクラブ指向なものへと変化しているが、一方で効果的に音楽に彩りや情緒を添えるボイスサンプルや、唐突にならない塩梅で行われる音の抜き差しや展開によって鮮やかなポップさも保った快作。

<作品概要>
大阪在住のミュージシャン、ビートメイカーである久保雅之のソロプロジェクトAnd Vice VersaがDay Tripper Recordsより放った2ndアルバム。
2010年にRefRain Recordsより発表した1stアルバム『Still Beautiful』では細かなエディット、チープな電子音や印象的なボイスサンプルの使用によって紡ぎだされるドリーミーでセンチメンタルな箱庭的世界観が大きな魅力となっていたが、本作においてはシンセの音色はより太くサイケデリックに、ビートも心地いいズレやモタりを取り込みつつ低域の存在感が増したクラブ指向なものへと変化している。
しかしながら前作に引き続き随所で効果的に音楽に彩りや情緒を添えるボイスサンプルや、唐突にならない塩梅で行われる音の抜き差しや展開によって、グルーヴ・ミュージックとしての機能性を向上しつつサウンドの色彩や親しみやすさも失わなれていない。
ダブステップから多様なポスト・ダブステップへという流れに代表される同時代のダンス・ミュージック、Flying Lotus以降大きな広がりを見せた(IDMの複雑性を昇華したうえでの)ビートメイク・シーンの隆盛、そしてチル・ウェイブ~ウィッチ・ハウスといったベッドルーム発の音楽動向までを視野に入れたDay Tripper Recordsのカタログの中でも、本作『E.Tender』は和声的な彩りやサンプル選択の妙味によって一際鮮やかなポップさを持った一作といえるだろう。

よろすず

Track List:
01. intro
02. 000
03. Half Moon Master
04. Soon
05. My Concrete Dance
06. Before Saying Goodbye
07. Behind Mr. Michel
08. The Place You Dream
09. She’s Got Angry
10. The Magic
11. Cowbell War
12. Tender

SWDTR 03 Ryuei Kotoge『undo.redo』

Ryuei Kotoge
『undo.redo』

¥1,500+税
SWDTR 03
2020年9月18日リリース

Amazon  https://amzn.to/2D1PB4s

2008年末にDubstepに触発されるかたちで制作活動を開始。自身のbandcampや国内外のネットレーベルからのリリース、AstroNauticoやMADHOPのレーベルコンピレーションへの参加、更にMetomeやNAGAN SERVERのRemixを手掛け、サウスコリア出身のプロデューサーSima Kimとのコラボレーションも話題を集めるなど幅広く活動する気鋭のトラックメイカーRyuei KotogeがDay Tripper Recordsより放った待望のフルアルバム。ジューク/フットワークなどの2010年以降のダンス・ミュージックのトレンドを消化した先鋭的なビートに加え、入念に磨かれた切れ味鋭いサウンドの仕上げにも抜かりがない傑作。

<作品概要>
2008年末にDubstepに触発される形で制作活動を開始。自身のbandcampや国内外のネットレーベルからのリリース、AstroNauticoやMADHOPのレーベルコンピレーションへの参加、更にMetomeやNAGAN SERVERのRemixを手掛け、サウスコリア出身のプロデューサーSima Kimとのコラボレーションも話題を集めるなど幅広く活動する気鋭のトラックメイカーRyuei KotogeがDay Tripper Recordsより放った待望のフルアルバム。
トライバルなサンプルとブーミーなシンセが印象的な冒頭の「Arc」はFlying Lotusが『Los Angels』で描き出してみせた密室的なサイケデリアを彷彿とさせるが、以降のトラックではジュークを取り入れた性急なビートが顔を出すなど2010年以降のダンス・ミュージックのトレンドを消化した音作りが耳を引く。
ダブステップから多様なポスト・ダブステップへという流れに代表される同時代のダンス・ミュージック、Flying Lotus以降大きな広がりを見せた(IDMの複雑性を昇華したうえでの)ビートメイク・シーンの隆盛、そしてチル・ウェイブ~ウィッチ・ハウスといったベッドルーム発の音楽動向までを視野に入れたDay Tripper Recordsのカタログの中でも、本作『undo.redo』は作風のうえで(本作がリリースされた2014年当時の)最新のビート・シーンの動向をより鋭敏にキャッチし自作に反映させて見せるある種インスタントな足取りの軽さを感じさせるが、一方でサウンドは入念に磨かれた切れ味鋭いものとなっており、正に非の打ち所のない傑作へ仕上がっている。

よろすず

Track List:
01. Arc
02. Mr.Rictus
03. Objective
04. Protection
05. Broken intro
06. Broken
07. Eureka
08. Orbital Cloud
09. Ghost in the machine
10. Sleepwalker
11. Personal Thoughts
12. Lighter
13. Primitive Future

https://ryueikotoge.bandcamp.com/

SWDTR 02 Eadonmm『Aqonis』

Eadonmm
『Aqonis』

¥1,500+税
SWDTR 02
2020年8月21日リリース

Amazon  https://amzn.to/3iiokut

電子音楽イベント<IdleMoments>を主催するなど大阪を拠点に精力的に活動するトラックメイカー/プロデューサーEadonmmがDay Tripper Recordsから発表した1stアルバム。先鋭的な音楽性を携えたプロデューサーが集う関西のクラブシーンにおいても、ウィッチハウスへの深い共振を感じさせるEadonmmの音楽性は陰鬱と甘美が溶け合う独自の魅力を湛えている。※2014年1月リリース作品のストックをディスカウントにて販売します。

<作品概要>
電子音楽イベント<IdleMoments>を主催しDUB-Ruseell、Yaporigami、Vladislav Delay等を招待するなど大阪を拠点に精力的に活動するトラックメイカー/プロデューサーEadonmmが1stEP『Anne』に続きDay Tripper Recordsから発表した1stアルバム。11曲目「Antibody」には同じく関西を拠点に活動するプロデューサーRyuei Kotogeが参加。
先鋭的な音楽性を携えたプロデューサーが集う関西のクラブシーンにおいても、ウィッチハウスへの深い共振を感じさせるEadonmmの音楽性は陰鬱と甘美が溶け合う独自の魅力を湛えている。
スローなハウスのビートに絡むクリッキーな音使い、霧のようなアンビエンスのシンセ・サウンド、そしてスクリューされたボイスサンプルによって描かれるグルーヴはゆっくりと渦へ巻きこむようにリスナーを陶酔へと誘う。
ダブステップから多様なポスト・ダブステップへという流れに代表される同時代のダンス・ミュージック、Flying Lotus以降大きな広がりを見せた(IDMの複雑性を昇華したうえでの)ビートメイク・シーンの隆盛、そしてチル・ウェイブ~ウィッチ・ハウスといったベッドルーム発の音楽動向までを視野に入れたDay Tripper Recordsのカタログの中でも、本作『Aqonis』は神学を学んだ自身の世界観を礎に取り入れるサウンドを選択、コントロールすることで一枚のアルバムとしての凄まじい強度を獲得している。※2014年1月にリリースされた「Aqonis」の再販売でリイシュー(再制作)ではございません。

よろすず

Track List:
1. Sun Grail
2. Gothic Anamnesis
3. Alder
4. Tide Up
5. Thuraa
6. Mirage
7. If You Melted
8. Oblivio Throb
9. Perpetual Goes
10. River Of Repentance
11. Antibody (feat. Ryuei Kotoge)
12. Dim
13. Vague Lips
14. Post Obit

SWDTR 01 Madegg『Kiko』

Madegg
『Kiko』

¥1,500+税
SWDTR 01
2020年8月21日リリース

Amazon  https://amzn.to/3gl4vRe

1992年生まれ、16歳から作曲活動を開始、若くしてエレクトロニック・ミュージックのシーンにインパクトを与え続けるKazumichi Komatsuによるソロ・プロジェクトMadeggの2ndアルバム。ドリーミーなエレクトロニカだけでなく、ポスト・ダブステップ、UKガラージなどの影響を感じさせる多彩な音楽性もさることながら、青く塗られたアートワークがもたらす海や空のイメージと、煌びやかで跳ねるような音使いから感じられる子供の戯れのような奔放さが交わる世界観によって開放的な聴き心地が維持された正に快心の一作となっている。※2013年4月リリース作品のストックをディスカウントにて販売します。

<作品概要>
1992年生まれ、16歳から作曲活動を開始、18歳にして<分解系レコーズ>より1stEP『Players』を発表、更には2012年にflauより1stアルバム『Tempera』を発表、他にも多くのイベント出演などで若くしてエレクトロニック・ミュージックのシーンにインパクトを与え続けるMadeggが2013年4月Day Tripper Recordsより放った2ndアルバム。
精力的にリリースを重ねる中で半年以上の期間をかけ制作されたという本作には、ドリーミーなエレクトロニカだけでなく、ポスト・ダブステップ、UKガラージなどの影響を感じさせる多彩なトラックが収められているが、青く塗られたアートワークがもたらす海や空のイメージと、煌びやかで跳ねるような音使いから感じられる子供の戯れのような奔放さが交わる世界観によって開放的な聴き心地が維持された正に快心の一作となっている(ちなみに彼が2012年にDay Tripper Recordsより発表したカセット作品のタイトルは『Sea』であり、また彼の1stEP『Players』では子供の頃の集団での遊びがインスピレーションとなっているため、本作で展開されるヴィジョンは継続的な制作の中で醸成された、いわば自身に深く根付くものと推測される)。
ダブステップから多様なポスト・ダブステップへという流れに代表される同時代のダンス・ミュージック、Flying Lotus以降大きな広がりを見せた(IDMの複雑性を昇華したうえでの)ビートメイク・シーンの隆盛、そしてチル・ウェイブ~ウィッチ・ハウスといったベッドルーム発の音楽動向までを視野に入れたDay Tripper Recordsのカタログの中でも、本作『Kiko』はパーソナルなヴィジョンを持った制作物としての完成度と同時に、結果としてレーベルや同時期の関西のシーンの多彩さを印象付ける一作にもなっている。※2013年4月にリリースされた「KIKO」の再販売でリイシュー(再制作)ではございません。

よろすず

Track List:
01. Quiet / Marble Camouflage
02. Spider
03. Fall
04. Surely
05. Orabge Went To Yellow
06. Throwing A Floating Gum
07. The Central, Dogs and Plastic Friends
08. Mars
09. Stripes
10. Kiko
11. 2001 Camouflages
12. Aurora
13. Good Funny Night
14. Nice Bird Falling Down In Your Rounds
15. Cobalt

https://madegg.bandcamp.com/album/kiko