Juri Suzue
『Rotten Miso』LP
¥3,080(with tax)
remodel 44
2021年7月30日リリース
Bandcamp Link
関西を中心にDJ や音楽家として活動するJuri Suzueの初アルバム『Rotten Miso』のLP バージョンがリリース!彼女はハウスやテクノをプレイするDJ として音楽活動をスタートし、近年はノイズ、エクスペリメンタルな要素を取り込んだ音楽性を指向しライブを中心に活動、2020 年にリリースされた2 枚組コンピレーション『a sign 2』にも楽曲が収録されている。初アルバムとなる『Rotten Miso』にはハウスやテクノといった音楽がその構造の根幹に持つシーケンスという要素を巧みに抽象化することで生まれたトラックが収められており、このLP バージョンではA 面にCD の収録曲からセレクトされた3 曲を、そしてB面にはCD の収録曲のうち4 曲を1 トラックに纏めたMerzbow によるリミックスを収録。
<作品概要>
関西を中心にDJ や音楽家として活動するJuri Suzue による初アルバム『Rotten Miso』のLP バージョンが阿木譲とスタジオワープ=Slowdown
Records により立ち上げられたレーベルremodel よりリリース。
Juri Suzue は元々は美術家を目指し、後に白塗りの劇団員へ、そしてその後に音楽へ転向したという経歴の持ち主。
音楽活動ではまずDJ としてハウスやテクノを大阪のローカルバー、クラブなどでプレイし、2011 年からはMidnight JJ 名義でダブ・テクノ中心のEP やリミックスを複数リリースしている(2014 年にCut Music からリリースした『Quiet Room EP』、2018 年にDifferent10 からリリースした『Midnight JJ vs Masaru Saito』など)。
近年はJuri Suzue 名義でノイズ、エクスペリメンタルな要素を取り込んだ音楽性を指向し、ライブを中心に活動しており、本作に先んじて同じくremodel より2020 年5 月にリリースされた2 枚組コンピレーション『a sign 2』にも楽曲が収録されている。
本作『Rotten Miso』は2020 年11 月にCD でリリースされているが、このLP バージョンはそちらとは異なる収録内容となっており、A 面にはCD に収録されたトラックの中からJuri Suzue 本人がセレクトした「Rotten Miso」、「Not Exist」、「Dark Corridor」の3 曲が、そしてB 面にはCD の収録曲のうち「Frayed Life」、「Musty Basement」、「Lack」、「Not Exist」の4 曲を20 分の1 トラックにまとめたMerzbow によるリミックスバージョンが収録されている。
近年のライブ活動での実験が見事に反映された内容であり、ミニマル・ダブ~ダブ・テクノを出発点とし創意工夫によって抽象化を試みるアプローチはVladislav Delay やMonolake などにも通じるが、本作はより大胆に周期性から遠ざかり、更にRaster-Noton からリリースしていた時期のEmptyset を思わせるソリッドさに貫かれたサウンドによって音の指向性(運動性)が強調されることで、グルーヴを暗闇の深さを四肢で探るような生々しい触覚性へと転化している点が耳に新しい。ダブ・テクノから移植された空間系の響きもその探りの痕跡として、もしくは闇の底を微かに照らす明りのように機能し、作品の持つ触覚性を効果的にサポートしている。
メルツバウによるリミックスは原曲の中から脈動のようなサウンドを大胆に拾い上げ、渦や濁流といった流体による運動を思わせる状態へと統合させており、こちらにも独特な触覚性が息づいている。
よろすず
Track List:
Side A
1 rotten miso
2 not exist
3 dark corridor
Side B
[MERZBOW REMIX]
frayed life/musty basement/lack/not exist