remodel 17 WIRELESS SIGHT『ENDLESS DARK DREAM』

発売日:2020年10月16日
定価:¥2,000(-税別)
品番:remodel 17

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WIRELESS SIGHT
ENDLESS DARK DREAM

1 Automatic Funny Sight 1
2 Endless Dark Dream
3 Automatic Funny Sight 1
4 Endless Dark Dream

remodel 17
16.Oct 2020 release
2.000yen+tax

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1981年にVanity RecordsよりカセットテープでオリジナルがリリースされたWIRELESS SIGHT『ENDLESS DARK DREAM』が初の単独CD化。WIRELESS SIGHTはミニコミ誌『無線風景』を発行するワカエ・クニエによるプロジェクトである。ピアノ、メトロノーム、ラジオ・ノイズのみによって描かれる静謐な音風景はVanity Recordsがその発足当初に構想した方針の一つである”家具としての音楽”が高純度で具現化されたかのように響く。

<作品概要>
1981年にVanity RecordsよりカセットテープでオリジナルがリリースされたWIRELESS SIGHT『ENDLESS DARK DREAM』が初の単独CD化。WIRELESS SIGHTはミニコミ誌『無線風景』を発行するワカエ・クニエによるプロジェクトである。
1978年に設立され、パンク以降の価値観で活動する新たなバンドや、バンド活動を経た音楽家のオルタナティブなアプローチなど、同時代の先鋭的な音楽動向をいくつかの側面から捉えてみせたVanity Recordsであるが、1981年からのリリースでは“INDUSTRIAL MYSTERY MUSIC=工業神秘主義音楽”という方向性が強く打ち出される。
この方向性を宣言したのがロック・マガジン編集部に送られてきた多数のカセットテープから厳選された音源を収録した1980年12月リリースのコンピレーションアルバム『MUSIC』であり、単独の作品としてそのヴィジョンを示してみせたのが1981年3月にLPでリリースされたtolerance『divin』であったが、以降のレーベル作品では時代の先端の音楽動向をよりスピード感を持って伝えるためカセットでのリリースが選択されることとなり、本作もこの文脈と形態で発表された。
本作のオリジナルは単独でのリリースもなされたが、“時代の風景としての騒音群”という意味を込め発表された『ノイズ・ボックス』という6本組のカセット・ボックスの一部としても世に出ている点が興味深い。
本作『ENDLESS DARK DREAM』はピアノ、メトロノーム、ラジオ・ノイズのみによって綴られた静謐な音楽作品であり、『ノイズ・ボックス』収録作に多く見られる反復の要素も一応はメトロノームの作動音によって見出せるものの存在感は(丁度我々が普段秒針の音を意識しないように)希薄で、控えめな雨粒のようにポツポツと落とされるピアノと、それが地面に残す模様のように朧げに浮かび上がるラジオノイズ、といった構成はむしろVanity Recordsがその発足当初に構想した方針の一つである”家具としての音楽”が高純度で具現化されたもののように響く。カセットのAB面に同じ内容が収録されていたことからもループ再生によって空間に定着しいずれは意識されない存在へと行き着くことへの希求が見て取れる。

よろすず