remodel 23 tolerance『anonym』

発売日:2020年7月17日
定価:¥2,500(-税別)
品番:remodel 23

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tolerance
anonym

〉SIDE A
01. Two owls
02. I wanna be a homicide
03. osteo-tomy
04. JUIN-Irénée
05. anonym

〉SIDE B
06. Iaughin in the shadows
07. through the glass
08. tecno-room
09. Voyage au bout de la nuit

remodel 23
17.Jul 2020 release
2.500yen+tax

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1979年10月にVanity Recordsのカタログナンバー4番としてオリジナルがリリースされた東京の丹下順子によるプロジェクトtoleranceの1stアルバム。CDでの単独リリースは今回が初となる。クラシカルやパンクを経過したフリーフォームな楽器演奏と時代の先端たるエレクトロニクスが拮抗する音楽性は未だアクチュアルであり美しい。NWWリストに選出されるなど同時代の作家に影響を及ぼすだけでなく、Posh Isolationなど現代のエクスペリメンタルに続くヴィジョンも感じさせる傑作。

<作品概要>
1979年10月にVanity Recordsのカタログナンバー4番としてオリジナルがリリースされた東京の丹下順子によるプロジェクトtoleranceの1stアルバム。ジャケットは写真集「東京綺譚」を刊行した神谷俊美。パンク以降の価値観で活動する新たなバンドや、バンド活動を経た音楽家のオルタナティブなアプローチなど、同時代の先鋭的な音楽動向をいくつかの側面から捉えてみせたVanity Recordsのカタログの中でも、本作はアーティスト自身の音楽的出地から実際のサウンドの立ち位置まで、明確な判断の難しい抽象的な存在の一作といえるだろう。
丹下によるエレクトリック・ピアノ、シンセサイザー、そして声は不穏さとエレガンスを同時に纏い、吉川マサミのエフェクティブなサウンドを発するスライド・ギターはパンク以降の痙攣するような衝動的演奏の残り香を感じさせるものの最早それは朧気で、彼岸ともいうべき遠い地点から響く呻きと化している。時に秒針や心拍を思わせる渇いたエレクトロニクス・サウンドも用いられるが、それは作品全体に無機的なニュアンスを効果的に付すものの中心的といえるほどには重力を持っていない。
クラシカルやパンクを経過したフリーフォームな楽器演奏と、時代の先端たるエレクトロニクスがどれが中心ともいえない塩梅で拮抗し、情緒や空間が漂白されたようなデッドな質感でのみ存在する本作の音楽性は、正に“匿名”を意味するアルバムタイトルに相応しく、故に未だアクチュアルであり美しい。
NWWリストに選出されるなど同時代の作家に影響を及ぼすだけでなく、Posh Isolationなど現代のエクスペリメンタルに続くサウンドヴィジョンも大いに見出せる傑作であり重要作だ。
よろすず