R.N.A. ORGANISM
R.N.A.O Meets P.O.P.O [Analog]
¥5,500 (with tax)
MYK035
2024年5月15日
仕様:LPレコード(1枚組)
インサート付属
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佐藤薫(EP-4)プロデュースによるR.N.A.オーガニズムをニューヨークのレーベルMesh-Keyより1980年vanity recordsからリリースされた『R.N.A.O Meets P.O.P.O』がヴァイナルリイシュー。オリジナルマスターテープからStephan Mathieuによるリマスタリングでの高品質レコードプレスと佐藤薫によるエッセイが掲載されたインサートが付属されています。
<作品概要>
後にEP-4の主導者として世に知られることとなる佐藤薫がプロデューサーとして関わった謎多きユニットR.N.A. Organismが、1980年5月にVanity Recordsよりリリースしたデビューアルバム。メンバーのクレジットは0123、Chance、Zeroという記号的なもので、デモはロンドンからエアメールで送られ、ライブの際には現場に姿を現さず送り付けたテープを再生させるなど、素性を明かさず周囲を煙に巻く戦略性が徹底されている。音楽的な特徴としてはパンク以降な感触のギターやベース、ファンク、レゲエ、ダブ由来のエフェクト、そしてリズムマシンの使用などが挙げられ、同時代のThe Pop Group、またはCabaret VoltaireやThrobbing Gristleなどのインダストリアルとの共時性を感じさせる。しかしながら様々な音楽要素が互いのアクティブ性を増幅させる饗宴的な融合を示すThe Pop Groupに比すると、RNAOのサウンドはルーツを異にする個々の要素がそのフレームを保ったまま並列される印象が強く、リズムマシンの使用も相まって冷たい明瞭さを露にする。また電子的な音響工作やリズムマシンの使用といった側面を共に有するCabaret VoltaireやThrobbing Gristleに比しても、RNAOは(彼らの場合はファンクやレゲエに紐づく)引用の要素を、コラージュ的手法だけでなく楽器演奏(ギターやベース)の次元でもクリアに感じさせる点で差異が際立つ。本作のリリースと近い時期にオープンされ、佐藤薫らが拠点としていた京都河原町の「クラブ・モダーン」では、当時の先端であるニューウェイヴとアフリカの民族音楽などが並列され、客はそれで踊っていたことが伝えられているが、本作にはそういった機能性への独自の視点だけに収斂され切らない気怠いアンサンブル感覚や音響工作への欲望も捉えられており、その掴み難いバランスが謎であり最大の魅力だ。
よろすず
Track List:
1 Weimar 22
2 Howareyou, Whyou
3 After
4 Bring To Naught
5 Nativity
6 Yes, Every Africa Must Be Free Eternally
7 Say It Loud, I’m Dilettante, I’m Proud
8 Matrix