SRSW 456 ichion『Hi 「拝」』

ichion
『Hi 「拝」』

shrine.jp再販売⑯
2020年12月20日リリース
¥1,000+税
SRSW 456

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京都のインディー/オルタナティブ・シーンで活動していたバンドTORICO(2008年に活動休止)にてフロントマンを務めていた荒石亮がソロ・プロジェクトichion(イチオン)として2011年にshrine.jp より発表した初アルバム。打楽器的なサウンド、鈍い色合いの持続音、抽象的なノイズなどのレイヤーによって形成される楽曲群は構造的には非常に掴みどころのないものであるが、にも関わらず個々の音色のどっしりとした存在感によってその音楽的印象は記憶に深く打ち込まれる。

<作品概要>
京都のインディー/オルタナティブ・シーンで活動していたバンドTORICO(2008年に活動休止)にてフロントマンを務めていた荒石亮がソロ・プロジェクトichion(イチオン)として2011年にshrine.jp より発表した初アルバム。
バンド時代よりギター、ボーカル、サックス、エレクトロニクスと様々な楽器を演奏していたが、本作では加えて自作楽器が用いられており、サウンドへのこだわりが大胆に前景化した音楽性を見せている(彼は音響に関するZINE「FUTURE SOUND LOVERS Vol.1~4」の発行も行っている)。
本作『Hi「拝」』は過去にデモ盤として制作された貴重な音源の再編集/リマスターと、新たに加えられた楽曲によって成り立っている。曲名には「時雨」や「霞」、「ヒノデ」や「未明」など自然現象や特定の時間/環境を連想させる言葉が並び、京都在住のアーティスト有瀬龍介によるアートワークにもそれに沿ったモチーフが随所に描かれている。
打楽器的なサウンド、鈍い色合いの持続音、抽象的なノイズなどのレイヤーによって形成される楽曲群は構造的には非常に掴みどころのないものであるが、にも関わらず個々の音色のどっしりとした存在感によってその音楽的印象は記憶に深く打ち込まれる。特に多彩な打楽器の音色と、自作楽器によるものと思われるザラついたノイズ音響の重なりや呼応は魅力的だ。
また、6 曲目「波状 還」では僅かながら民族音楽的な発声によるボーカルも用いられており、これは彼が後に展開するアイヌ民族の伝統音楽やアメリカ先住民族のズニ族の音楽への接近を予期させるような響きと捉えられる。
よろすず

Track List:
01. ヒノデ
02. 寂寞
03. 時雨、そして静寂 残響。
04. 月下蒼笑
05. 未明 来
06. 波状 還
07. 霞 蒼に眩暈
08. 彼方から