AUBE
『E-Power』
shrine.jp再販売㊳
2021年3月20日リリース
¥1,000+税
SRSW 478
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91年から対外的な音楽活動を開始、本職の工業デザイナーである技術を生かした凝った装丁のカセット・パッケージでのリリースや、作品ごとに一つの素材から抽出された音のみを用いるアプローチによってすぐさまノイズ作家として独自の存在となり、以降国内外のレーベルから精力的なリリースを続けた中嶋昭文によるノイズ・プロジェクトAUBE。本作『E-Power』は2013年に死去した氏の足跡に改めて光を当てるために企画された、shrine.jpによる「G.R.O.S.S.」(AUBEによる自主レーベル)の初期カセット作のCD化シリーズ(全七作)の第七作。今作はAUBEが電圧制御発信器(VCO)を用いた作品。
<作品概要>
AUBEは1959年京都生まれの中嶋昭文によるノイズ・プロジェクト。
80年代からシンセサイザーなどを用いて趣味の範囲で小規模な音響制作などを行っていた彼は、1990年に美術作家の有地左右一+笹岡敬によるインスタレーション作品『Water1990』の音楽を担当したことを契機に、翌91年からAUBEとして対外的な音楽活動を開始。同年ヴァニラ・レコーズからデビュー・カセット『Hydrophobia』を発表、92年には自主レーベル/デザイン・プロジェクトである「G.R.O.S.S.」を設立し、自身を含む国内外のノイズ・アーティスト達の作品を、本職の工業デザイナーである技術を生かした凝った装丁のカセット・パッケージでリリース。
他にも世界各国のレーベルからのオファーに応えるかたちで精力的に作品をリリースし続けるが、健康上の理由により2005年頃から活動のペースを落とし、2013年9月25日永眠。
音響制作においては作品ごとに一つの素材から抽出された音のみを用い、それを源に多種のエフェクト操作によって強靭かつ気品あるノイズ音響を現出させることを特徴とする。
本作『E-Power』は氏の死去後にその足跡に改めて光を当てるために企画された、shrine.jpによる「G.R.O.S.S.」の初期カセット作のCD化シリーズ(全七作)の第七作。オリジナルリリースは1994年。
今作はAUBEが電圧制御発信器(VCO)を用いた作品である。VCOはシンセサイザーにおける音の発生を担う部分であり、機種によっては複数台が予めセットされていることも珍しくないが、AUBEは自作において発信器(もしくはシンセ)を用いる場合には「一つの素材を用いる」というスタンスから1VCOでの演奏、制作にこだわっていた。
結果的にここに収められているのは単線の変質が強いプレゼンスを発揮する演奏となっている。1曲目ではゆったりと弧を描くようなうねりをもったドローンが酩酊を誘い、そして2曲目ではそのシンプルさを忘れさせるほどの強靭なノイズの暴発が現れる。
オリジナル・カセットのアートワークは1点づつ異なる廃棄レントゲン写真を再利用したもので、タイトルは氏が敬愛していたEP-4へのオマージュとなっている。
よろすず
Track List:
01. Electro-Statics-Power
02. Electric-Dynamic-Power