Junya Hirano
『VANITY/REMODEL MIX 1』
2022年2月18日リリース
¥2,200(with tax)
SRSW 498
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伝説の音楽評論家/プロデューサー阿木譲が立ち上げた2つのレーベル、Vanity Recordsとremodel(レーべルオーナー中村泰之)の音源のみを使用した2時間以上に及ぶDJ MIX!生涯をかけて尖端音楽を追求し続けた、阿木譲の類い稀なるセンスを証明するかのように、およそ30年の年月を隔てた2つのレーベルの音源は違和感なく溶け合い、聴き手の時間軸を無化し、空間を歪ませる。「真に先鋭的な表現は、過激であると同時に普遍的でもある」というパラドックスを体現する作品。
text by: peeq / 市川洋一
<作品概要>
阿木譲によって1978年に設立されたVanity Recordsは、日本最初のインディペンデント・レーベルとされている。無名だが才能を持ったアーティストにレコード製作の機会を与えることを目的とし、ポストパンク、ニュー・ウェイヴ、プログレッシブ・ロック、エレクトロニクス、現代音楽、実験音楽など様々な先鋭的音楽表現の坩堝として、各タイトル300~500枚という極めて限られた流通量と、4年弱の短い活動期間にも関わらず、今や伝説的な存在となっている。長らくレーベルの全貌は謎に包まれていたが、2020年の相次ぐ再発で、その活動の実体が漸く把握可能となった。
Vanity Records終焉の後も、DJとしての活動(阿木自身はレヴィ=ストロースに倣って”Bricolage”と呼んだ)や、アートジン「0g(ゼロゲージ)」の編集・執筆などを通じて、新しい表現を開拓し続けた阿木譲が、2011年に設立した最後のレーベルがremodel(レーべルオーナー中村泰之)である。『我々は、この同時代の夢、新しい感覚や感性を共有する「少年」のようでありたい』と語った阿木譲は、先鋭的な電子音楽に特化したremodelの活動を通じて、時代の最先端を走り続けていることを改めて表明した。
大阪のヴェニューenvironment 0g (zero-gauge)の運営およびremodelのディレクションなど、阿木譲の意思を継承・発展させた活動を展開しているJunya Hiranoによる本MIXは、Vanity Recordsとremodelの音源のみで製作されており、過去と未来を意図的に撹乱することで、阿木譲が追求してきた過激な音楽表現の断端を生々しく現在に再提示する。阿木譲の遺したモノリスの如き巨大なレガシーの入門編としても最適な作品だ。
text by: peeq / 市川洋一
Track list
01. MR / 213
02. SAB / Yume-no-ishi
03. Konstructal / Grunt
04. NECTER LOW / ARTIFICIAL ONE
05. SYMPATHY NERVOUS / AUTOMATIC TYPE
06. SALARIED MAN CLUB / gray cross part 1
07. KIIRO RADICAL / Denki Noise Dance Part 1
08. Nuearz / erato
09. DEN SEI KWAN / Transparent Radio
10. Cindytalk / Subterminal
11. Juri Suzue / MERZBOW Remix (Frayed Life/Musty Basement/Lack/Not Exist)
12. DEN SEI KWAN / Pocket Planetaria
13. SALARIED MAN CLUB / Perspective
14. NISHIMURA ALIMOTI / Bunbunbae
15. Tolerance / Misa (Gig’s Tapes In “C”)
16. Junya Tokuda / Uncanny