MERZBOW
『Go Vegan (6CD BOX)』
¥6,000+税
SDRSW-106
2020年12月18日リリース
Amazon https://amzn.to/37UgXGT
2018年にスタートしたスローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズ、その第9弾としてリリースされた作品をまとめたボックスが登場!本ボックス〈Go Vegan〉には2001年から2003年にかけての未発表音源を収めた『Pig A.Y』『Material for Structure I』『Yoshinotsune Metamo』『SCSI Duck 2』『3rd Of May Vol.1』『3rd Of May Vol.2』の6作を収録。クラブシーンとの接近がダイレクトに反映された作風の登場に加え、2003年には秋田氏がヴィーガンとなるなど現在にまで繋がる重要な変化の起こった時期の重要な記録。
<作品概要>
2018年よりスタートしたメルツバウの未発表/発掘音源を収めたアーカイブ・シリーズ、その9つ目のシリーズは2001年から2003年にかけての未発表音源を収めた『Pig A.Y』『Material for Structure I』『Yoshinotsune Metamo』『SCSI Duck 2』『3rd Of May Vol.1』『3rd Of May Vol.2』の6作であった。そしてそれらをまとめたボックス作品がこの〈Go Vegan〉である。
99年から00年代半ばまでメルツバウの制作においてはコンピューターがメインとなっているが、2001~2003年はこの作風の中でも知名度の高い『Dharma』(2001)、『Merzbeat』(2002)、『A Taste Of…』(2002)などの作品が発表された時期にあたる。
この時期の作風に特徴的なものはやはり『Merzbeat』などに顕著なテクノやダブの影響を大胆に押し出したものの登場だろう。メルツバウの作品では90年代半ば頃からクラブシーンとの接近によってテクノやドラムンベースなどの影響が低域のパルスやフィルターを多用した音作りといったかたちで取り入れられていたが、この時期ではよりくっきりとビートとしてその影響が顕在化しインパクトの強い作風が生み出された。
今回の〈Go Vegan〉の収録音源はそういった作風のみに的を絞ってセレクトされたものではないが、どの収録作でもしっかりとした周期を持ったサウンドが前面に表れるグルーヴィーな場面が少なからず含まれており、この時期の演奏において欠かせないアプローチであったことが伺える。中でも『Yoshinotsune Metamo』は全編通してグルーヴ・ミュージックとしての機能性が強く感じられる仕上がりだ。
また、2003年に秋田氏がアニマル・ライツ(動物の権利)への関心からヴィーガンとなったことも付け加えるべき重要な事柄だろう。これによって以降のメルツバウ作品では特にタイトルやアートワークにおいて動物のモチーフが多く登場することとなる。
本シリーズ中では2003年の録音となっている『Yoshinotsune Metamo』『SCSI Duck 2』がそれぞれ『Yoshinotsune』(Clu Clux Clam, カナダ)と『SCSI Duck』(Fourth Dimention, UK)に関連する音源であり、この2作はメルツバウ作品において動物(鶏とアヒル)のモチーフが登場した初期の例である。
よろすず
CD List:
CD1 Pig A.Y
CD2 Material for Structure I
CD3 Yoshinotsune Metamo
CD4 SCSI Duck 2
CD5 3rd Of May Vol.1
CD6 3rd Of May Vol.2