SDRSW148 Merzbow『Mimesis』(CD+画集80ページ)

MERZBOW
『Mimesis』

¥3,300(with tax)
SDRSW-148
2025年6月20日リリース

Amazon  https://amzn.to/3S7JTAP

CD+画集(80ページ オールカラー AI生成画像189点掲載)
ハードカバー仕様 153×216mm

<作品概要>

本作品は音とAI生成画像集から成っている。画像集は2025年1月6日に東京渋谷のWWWで開催されたMerzbow Free Noiseというコンサートにおいてプロジェクションで使用されたAI生成画像をまとめたものである。Merzbowでこのような映像の使用は近年珍しいことであり、むろんライブでのAI生成画像の使用は初の試みである。  
 コンサートは2部形式であり、その1部で演奏された楽曲のリハーサル音源の一つがCDの1曲目Peacock Analogyである。Sonicware社のTextureLab、Oscilator、CDに録音されたコンピューター音源をライブMixしている。2曲目のTenbyo Caterpillar 1はMerzbowの最も最近のスタジオ録音の一つである。こちらはノイズ・エレクトロニクス、コンピューターなどの複数のレイヤーをオーバーダブしている。

「Peacock Analogy」
 「孔雀アナロジー」というタイトルは、孔雀の絵を参考画像にして荒廃した都市の風景を生成した結果、孔雀の形をした建物や金属構造物が生成されたことに基づいている。この現象は、AI画像生成のいくつかの要因が組み合わさって発生したようだ。孔雀の画像からAIは孔雀特有の形状(例えば、羽の広がり、首の形、全体のシルエットなど)を学習し、都市の風景を生成する際、AIは学習した孔雀の形状パターンを都市の建物や金属構造物に適用しようと試みた可能性がある。この場合、プロンプトが「荒廃した都市」「金属構造物」などという曖昧な表現であった為、AIは参考画像の孔雀に強く影響されたと思われる。
「アナロジー」はAI が異なる概念間の類似性を認識し、一方の概念から他方の概念へパターンを転送するプロセスである。このケースでは、AIは孔雀の形状と建物や金属構造物の形状の間に類似性を認識し、孔雀の形状を建物や金属構造物に適用した可能性がある。このようにAI画像生成は予期せぬ結果を生み出すことがある。

「ミメーシス」
ミメーシスとは、古代ギリシャの哲学者プラトンやアリストテレスによって提唱された芸術理論で、芸術作品が現実世界や自然を模倣するという概念である。伝統的な芸術は、現実を忠実に再現すること、あるいは理想化された現実を表現することを重視してきた。AIアートは、大量の画像データを学習し、そのパターンを認識することで画像を生成する。この点で、AIは既存の画像を「模倣」していると捉えることができる。さらにAIアートにおけるミメーシスは、単なる模倣ではなく、創造的なプロセスの一部ということができる。AIは、学習したデータに基づいて新しい画像を生成することで、人間の創造性を拡張し、新たな芸術表現の可能性を切り開く可能性がある。 
 
「模倣」には「イミテーション」「偽物」などといったマイナス・イメージもある。AIは既存のデータを学習して画像を生成するため、オリジナリティが低い、あるいは、AIは短時間で大量の画像を生成できるため、希少性が低い、あるいはAIには感情がないから芸術性が低いなどといった様々な意見がある。AIアートは大量生産される「ジャンクアート」のようなものだろうか? AIアートは「アートに似て非なるもの」だろうか?
 AIアートは、従来の芸術の概念をどのように変えるのか、人間の創造性をどのように拡張するのか、また、そもそもAI生成画像はアートなのか、制作者は一体誰なのか、著作権はどこにあるのか等々という議論が続いている。

*テキストの一部はGemini (Google)とのチャットを参考にしています。
A Part of Text by AI-assisted with Gemini (Google).
秋田昌美

Track list
01. Peacock Analogy
02. Tenbyo Caterpillar 1