SDRSW49 Merzbow『Batztoutai Mix』

Merzbow
『Batztoutai Mix』

¥2,000+税
SDRSW-49
2019年2月15日リリース

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メルツバウのアーカイブシリーズ、1979~1981年までの『Early Sessions』、1982~1984年までの『Early Cassettes』に続き、1984年からのシリーズがスタート。まずは1984~1986年までの6作品が順次リリースされる。
本作には80年代メルツバウの作品でも最も著名な一作といえる『抜刀隊 with Memorial Gadgets』に収録された楽曲「Batztoutai – The Nightingale’s Song」のアナザー・ロング・ミックスを収録。水谷聖とのデュオ期から既に試みられていたテープコラージュ技法の到達点を示す必聴の内容だ。

<作品概要>
80年代メルツバウでも最も著名な一作といえる『抜刀隊 with Memorial Gadgets』に収録された楽曲「Batztoutai – The Nightingale’s Song」は『抜刀隊 with Memorial Gadgets』2LP (米RRR Records, 1986)、『抜刀隊 with Material Gadgets』CD (米RRRecords, 1990 及びMerzbowのSelf Release 日本 2004) 、『Mortegage/ Batztoutai Extra』(「Merzbox」50枚組収録の一枚。豪 Extreme 1999)などのヴァージョンがあるが、ここに収録されているのは1990年のCD収録verの別ロング・ミックス。
本作品の制作時期に当たる80年代半ばはMerzbowにとって、Throbbing Gristleの登場以降に世界中に起こったインダストリアル・ムーブメントとの共振を感じさせつつ、テープを中心とした多彩な音源の使用、機械的なループの援用と歪んだ音色の徹底的な過激化によって独自のインダストリアル・ノイズのスタイルを確立させた時期であり、そのキャリアにおける最初の到達点ともいえる。
中でも複数のバージョンが存在する『抜刀隊』は元々1984年から1985年にかけて制作した音源を複数のテープにまとめたものからRRRが選曲、編集した作品であり(1990年のCD化に際しエクストラトラックを加えより原型に近い形に戻された)、この時期のメルツバウのベストアルバムのような位置付けも見出せる重要作で、氏のキャリア中でもテープコラージュ/コンクレートな作風の極点を示す一作と評価されている。
ここに収録されたロング・ミックスにおいても、タイトルの由来となった明治時代にフランスのお抱え作曲家Gabriel Lerouxが作曲した軍歌「抜刀隊」、INA-GRMのミュージック・コンクレートのレコードなど、様々なサウンドが矢継ぎ早にエディット/ミックスされていく。
氏の作品の中ではノイジーさは控えめだが、故に性格の異なる多彩なサウンドが飛び交い、そのセレクトとミックスのセンスからDJ的な感覚の鋭敏さという他作品では前面化しない一面を窺うこともできる必聴の一枚だ。 よろすず

Track List:
01. Batztoutai(Another Mix)
02. Batztoutai(1711 Mix)