Juri Suzue
『Rotten Miso』
¥2,300+税
remodel 43
2020年11月20日リリース
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2枚組コンピレーション『a sign 2』にも楽曲が収録され関西を中心にDJや音楽家として活動するJuri Suzueの初アルバムがリリース!彼女はハウスやテクノをプレイするDJとして音楽活動をスタートし、近年はノイズ、エクスペリメンタルな要素を取り込んだ音楽性を指向しライブを中心に活動している。本作『Rotten Miso』にはハウスやテクノといった音楽がその構造の根幹に持つシーケンスという要素を巧みに抽象化することで生まれた8つのトラックが収められており、グルーヴの残り香をまとった低音やノイズ、ボイスサンプルが、ある時は点と線とを行き交うようなまばらさで鳴らされ、またある時は液状化して聴覚へ流れ込む。
<作品概要>
関西を中心にDJや音楽家として活動するJuri Suzueによる初アルバムが阿木譲とスタジオワープ=Slowdown Recordsにより立ち上げられたレーベルremodelよりリリース。
Juri Suzueは元々は美術家を目指し、後に白塗りの劇団員へ、そしてその後に音楽へ転向したという経歴の持ち主。
音楽活動ではまずDJとしてハウスやテクノを大阪のローカルバー、クラブなどでプレイし、2011年からはMidnight JJ名義でダブ・テクノ中心のEPやリミックスを複数リリースしている(2014年にCut Musicからリリースした『Quiet Room EP』、2018年にDifferent10からリリースした『Midnight JJ vs Masaru Saito』など)。
近年はJuri Suzue名義でノイズ、エクスペリメンタルな要素を取り込んだ音楽性を指向し、ライブを中心に活動しており、本作に先んじて同じくremodelより2020年5月にリリースされた2枚組コンピレーション『a sign 2』にも楽曲が収録されている。
本作『Rotten Miso』にはハウスやテクノといった音楽がその構造の根幹に持つシーケンスという要素を巧みに抽象化することで生まれた8つのトラックが収められており、グルーヴの残り香をまとった低音やノイズ、ボイスサンプルが、ある時は点と線とを行き交うようなまばらさで鳴らされ、またある時は液状化して聴覚へ流れ込む。
ミニマル・ダブ~ダブ・テクノを出発点としそこから創意工夫によって抽象化を試みるといったアプローチはVladislav DelayやMonolakeなどにも通じるが、本作はより大胆に周期性から遠ざかり、更にRaster-Notonからリリースしていた時期のEmptysetを思わせるソリッドさに貫かれたサウンドによって音の指向性(運動性)が強調されることで、グルーヴを暗闇の深さを四肢で探るような生々しい触覚性へと転化している点が耳に新しい。ダブ・テクノから移植された空間系の響きもその探りの痕跡として、もしくは闇の底を微かに照らす明りのように機能し、作品の持つ触覚性を効果的にサポートしている。
Track List:
1 frayed life
2 musty basement
3 rotten miso
4 not on the guest list
5 lack
6 not exist
7 dark corridor
8 sleep on mars