SDRSW124 Merzbow『Sugamo Flower』

MERZBOW
『Sugamo Flower』

¥2,200(with tax)
SDRSW-124
2021年8月20日リリース

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スローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズは第13弾に突入!今回のシリーズでは東日本大震災への創作での反応、直接的なアニマル・ライツではないテーマへの移行の始まり、そして新たな機材(小型のオシレーター・シンセ、ドローン・マシーン、ミニ琴など)の導入があった2011~2012年の音源がリリースされる。本作『Sugamo Flower』には2012年にリリースされたMerzbowとActuaryのスプリットLP『Freak Hallucinations』に収録されている楽曲「Sugamo Flower Festival」に一部が素材として使用された演奏を収録。

<作品概要>
これまで12のシリーズがリリースされているスローダウン・レコーズによるメルツバウの未発表音源を中心に収めたアーカイブ・シリーズは第13弾に突入。
今回のシリーズでは2011~2012年の音源がリリースされる。
この時期には東日本大震災があり、メルツバウは福島とチェルノブイリの原発事故による放射能汚染をテーマにした『Dead Zone』という作品を2011年にウクライナのレーベルQuasi Pop Recordsからリリース、他にも『UZU ME KU』(Samboy Get Help! Recordings, 2012)のジャケットに用いられた長沢浄水場の写真には震災によって亀裂の走った柱が映っているなど、早くから創作によって事態への反応を見せた。
また、英Hypnagogiaの依頼によりこの時期に着手された「聖牛」をテーマにした三部作『Kamadhenu』、『Surabhi』、『Gomata』は引き続きアニマル・ライツがテーマの作品ではあるが、『Lop Lop』(Rustblade, 2011)、そして後の『Konchuuki』(Essence Music, 2015)など直接的なアニマル・ライツではないテーマへの移行が徐々に見られる時期でもある。
加えて機材面でも新しく小型のオシレーター・シンセ、ドローン・マシーン、ミニ琴などの導入があり、サウンドを非常に強く特徴づけている。
本作『Sugamo Flower』には2012年にリリースされたMerzbowとActuaryのスプリットLP『Freak Hallucinations』に収録されている楽曲「Sugamo Flower Festival」に一部が素材として使用された演奏を収録。2曲ともに1990年代に使用していたKorgのマルチ・エフェクターAX30を再び使用している。
メルツバウらしい強く歪んだノイズやフリーケンシーが急上昇/急下降するサウンドも用いられているが、それと同等にオシレーターやドローン・マシンによる複雑な倍音を持った持続音や微妙に揺れる脈動のようなサウンドも存在感が強い。1曲目ではマシニックに鳴り続けるドローンと脈打つサウンドの、そして2曲目では砂嵐のようなノイズとぶっきらぼうなグルーヴを奏でるサウンドの対比が即興的に形作られていく様が印象的な一作。

よろすず

01. Sugamo Flower
02. AX30