SDRSW56 Merzbow『Crocidura Dsi Nezumi』

Merzbow
『Crocidura Dsi Nezumi』

¥2,000+税
SDRSW-56
2019年5月17日リリース

Amazon  https://amzn.to/2TMzEWZ

メルツバウのアーカイブシリーズ、『Early Sessions』『Early Cassettes』『Loop & Collage』に続く4つめのシリーズでは秋田昌美が独自に考案した“Environmental Percussion”と呼ばれる手法が用いられた作品がリリースされる。本作『Crocidura Dsi Nezumi』は1988年にZSF ProduktとBanned Productionsよりオリジナル・カセットがリリースされ、ボックス作品『Merzbox』内の一部として既にCD化もされているが、単独でのCD化は今回が初。雑多な音響の交錯に加え、確信的に奏でられるリズムの存在感も強く、秋田昌美のドラム/パーカッション奏者として側面が強く伺える一作。尚、この作品は 今回秋田氏自身による新たなリマスター・エディションで登場!!

<作品概要>
本シリーズで中心的に取り上げられる“Environmental Percussion”のアイデアは1982年の『Material Action for 2 microphones』の頃から存在し、具体的には部屋の床や壁を叩いたり、身の回りの様々なものや、小さな物体をコンタクト・マイクで拾い、増幅し、リバーブやディレイなどの空間エフェクト処理を加える事で獲得される音響を意味する。このアプローチにおける主な使用素材は、発砲スチロールの塊(床などを叩く為に使用)、プラスティック製のカセット・ケースやカード(バイオリンの弓で弾く)、輪ゴム(つまびく)、トイレット・ペーパーの芯(吹く)、ガス・ストーブやテーブル・ランプ(メタル・パーカッション)等で、歪んだエフェクト加工によるノイズとは異なる機微と手触りを持ったアンプラグドな雑音が発せられる。『Material Action for 2 microphones』においてはこの手法はノイズ的なサウンドを獲得する目的で用いられていたが、後の『Ecobondage』(1987)、『Storage』(1988)といった時期の作品ではより音楽的なかたちで用いられており、今回のシリーズでリリースされる音源もそのほとんどは87年に録音が行われている。加えてこの時期の録音には、トタン製の衣装ケースの内側にピアノ線、ギター弦、スプリングなどを張り、それをバイオリン・ボウで弾いて発音する新しい自作楽器が用いられている。この楽器はトタンの箱の中に様々なオブジェクトをいれて揺さ振ったりしてメタル・ジャンク的な音を出すことも可能な仕様だが、この時期の録音では主に弦楽器的なサウンドを発する用途で用いられ、このサウンドとEnvironmental Percussion、更にエレクトリック胡弓、横笛、縦笛などの響きを適時ミックスすることによって最終的な作品が形作られている。本作『Crocidura Dsi Nezumi』は1988年にZSF ProduktとBanned Productionsよりオリジナル・カセットがリリースされ、50枚組のボックス作品『Merzbox』内の一部として既にCD化もされているが、単独でのCD化は今回が初となる。前述してきた手法による雑多な音響の交錯に加え、確信的にリズムが打ち鳴らされる場面も多く、特に2曲目は本シリーズ内でも異色といえるほどダンサブルな内容となっている。尚、この作品は 今回秋田氏自身による新たなリマスター・エディションで登場!! よろすず

Track List:
1. Mustela Erminea Nippon
2. Mustela Sixasa Namiyei