MERZBOW×KAORU SATO
『KYOTO OCT 21 2018』
¥2,500+税
SDRSW-60
2019年9月20日リリース
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2018年10月21日、京都メトロにて行われた「スローダウン」、「φonon (フォノン)」、「きょうレコーズ」という3つのレーベルのショウケース・イベントにおいて実現したメルツバウと佐藤薫の初セッションの録音がCDとLPの2フォーマットでリリース!CD版となる本作には佐藤薫のソロ演奏、途中からそこにメルツバウが加わるかたちで実現した共演セッション、そして佐藤が抜けメルツバウのソロ演奏へという当日の一連の流れがほぼそのまま収録されている。特異な音色を軸にデザイン性の高い演奏を聴かせる佐藤薫と、性質の異なる数種類の音源を即興的にミックスしバランスの異なる轟音やダイナミックな展開を作り出すメルツバウ、そして両者の持つデザイン性と即興性が見事な交錯を見せる共演セッションと、どの瞬間にも研ぎ澄まされた強度やアクチュアリティーが宿っている。
<作品概要>
この2人の交錯を歴史的邂逅と位置づけるのも決して大袈裟ではないだろう。
時にノイズ・ミュージックの代名詞のようにも語られ、極端に歪んだ響きを多用しつつ40年に及ぶ活動の中で数多の試みを行ってきたメルツバウと、80年代にEP-4の首謀者として伝説的なパフォーマンスと作品を残した後沈黙し、近年になって新たなユニットやレーベルの始動、大胆なアンビエントやノイズへの接近など刺激的な活動を展開している佐藤薫。
ともに国内外問わず高い知名度と影響力を誇りながらも、共に音を出す“共演”といったかたちでは関りのなかった両者の初セッションが実現したのは2018年10月21日、京都メトロにて行われた「スローダウン」、「φonon (フォノン)」、「きょうレコーズ」という3つのレーベルのショウケース・イベントにおいてであった。そしてその日の演奏の記録が、この度CDとLPの2フォーマットでリリースされる。
CD版となる本作には佐藤薫のソロ演奏、途中からそこにメルツバウが加わるかたちで実現した共演セッション、そして佐藤が抜けメルツバウのソロ演奏へという当日の一連の流れがほぼそのまま収録されており、具体的には最初の25分ほどが佐藤薫のソロ、続く15分ほどが両者の共演、そこから35分ほどがメルツバウのソロとなっている。
チャイム(チューブラー・ベルズ)の音を引き延ばしたような倍音の伸びや、ハリー・ベルトイアの音響建築Sonambientのサウンドを思わせる冷たさと瞑想性を感じさせる特異な音色を軸にデザイン性の高い演奏を聴かせる佐藤薫と、自作楽器やシンセ、発信機など複数のマテリアルの生演奏によって即興的にバランスの異なる轟音やダイナミックな展開を作り出すメルツバウ、そして両者の持つデザイン性と即興性が見事な交錯を見せる共演セッションと、どの瞬間にも研ぎ澄まされた強度やアクチュアリティーが宿っている。
倍音の扱いとそこから導き出される音色の性格、音の配置や帯域のデザイン性、即興性の扱いなど、様々な視点からの検証にそれぞれに異なるハードコアなかたちで応えてくれる両者のサウンドは、多様化している現在の電子音楽の中でも非常にエッジーな表現がなされたものであるといえるだろう。表現にまつわるあらゆる側面を自身の意思でディレクションし、強力な実践を行ってきた両者の鋭いまなざしが今、どこを向いているのか、それは本作の音そのものが、つぶさに示してくれている。 よろすず
Track List:
1. KYOTO OCT 21 2018