Merzbow
『Untitled 1991 Vol.1』
¥2,000+税
SDRSW-65
2019年8月16日リリース
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これまで4つのシリーズが発表されているメルツバウのアーカイブシリーズ、第5弾となる本シリーズではこれまであまりアーカイブなどの機会に収録されてこなかった1991年の録音が中心的にリリースされる。 本作は無機的なタイトルが示す通り1991年の録音であり(ミックスとマスタリングは2019年)、それ以上の他作品との関りなどを示す情報は記載されていない。 サンプリング・ディレイによる機械的に持続、反復するサウンドや、複数の音源が並走的にミックスされることにより、ゴツゴツとした奥行きと立体性を持った作品へ仕上がっている。
<作品概要>
本シリーズで中心的にリリースされる1991年の作品の特徴として、レコードのスクラッチやサンプリングが1980年代の『抜刀隊』の時のようなコラージュ的ではない新たな手法で使用されている点が挙げられる。それは具体的にはNextやDigitech社製のサンプリング・ディレイの導入によってもたらされた、よりリズミカルでカットアップ的な使用方である。当時の作品は4chの複数のカセットの他に2chの複数のカセット、更に生演奏などをライブでカットアップし、ミックスすることで制作されていたが、今回はその素材となったテープ(ほとんどは4chのカセット)がカットアップなどを行わずほぼ未編集のまま使用されている。また、当時はTASCAM Porta Twoを使用してミックスが行われていたが、現在はその機材がないためTASCAM MFP-01を使用して新たなミックスが行われた。本作は無機的なタイトルが示す通り1991年の録音であり、それ以上の他作品との関りなどを示す情報は記載されていない。同時期の音源の中でも異なる定位でノイズやディレイ音が並走する様子が聴き取りやすく、混然一体となって空間を塗りつぶすというよりそれぞれが独立した挙動で鼓膜を抉るようなゴツゴツとした聴き心地が味わえる。複数の音源のカットアップ的でない並走的ミックスという本シリーズの特徴が奥行きや立体感として効果的に表れた一作といえるだろう。 よろすず
Track List:
01. 1914Mix
02. 91519-2b