MERZBOW
『Phillo Jazz』
¥2,000+税
SDRSW-69
2019年10月18日リリース
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スローダウンによるメルツバウのアーカイブ・シリーズ、第6弾となる今回のシリーズではメルツバウの中でも知名度や評価の高い作品が立て続けに発表された1993年から1995年の音源を収めた6作がリリースされる。本作『Phillo Jazz』には1994年録音の3つのトラックが収録されており、2曲目「Phillo Jazz June (Electronica)」は同年に英国のFool’s Paradiseよりリリースされたコンピレーション『Bovine Spongiform Encephalopathy』に「Phillo-Jazz Electronica」というタイトルで収録されたものと同一曲となっている。
<作品概要>
スローダウンによるメルツバウのアーカイブ・シリーズ、第6弾となる今回のシリーズでは1993年から1995年の音源を収めた作品がリリースされる。この時期は『Metalvelodrome』『Noisembryo』『Hole』『Venereology』『Pulse Demon』などメルツバウの中でも特に知名度や評価の高い作品の制作やリリースが行われた時期であり、近年再発も積極的に行われている。
今回のシリーズはこれまでのシリーズで多かったカセット・マスターではなく全ての作品でDATマスターが使用され、新たにリマスターを施すというかたちで制作されている。DATマスターはカセットをマザー・テープとして一応作品としてMIXされている状態の物であるため、カセット音源に比較すれば完成度は高いといえる。そのため小品集なども含む本シリーズの作品はたとえ長時間の演奏であっても展開などの面でタイトにまとまっている印象が強い。
本作『Phillo Jazz』には1994年録音の3つのトラックが収録されており、2曲目「Phillo Jazz June (Electronica)」は同年に英国のFool’s Paradiseよりリリースされたコンピレーション『Bovine Spongiform Encephalopathy』に「Phillo-Jazz Electronica」というタイトルで収録されたものと同一曲となっている。
収録された3曲は順を追ってサウンドがより過激化していくように配置されており、アルバム作品としてこの時期の演奏のダイナミズムが反映された内容となっている。また、1曲目は歪んだノイズの炸裂以上にディレイの操作による発信音の反復やその矢継ぎ早な切り替えが非常に耳を引く内容で、モノクロームなノイズの壁というより細かな伸縮を繰り返す電子音のライブ・コラージュといった印象を残す興味深い1曲だ。
よろすず
Track List:
1. Phillo Jazz March
2. Phillo Jazz June(Electronica)
3. Phillo Jazz July