MERZBOW
『Strings & Percussion (6CD BOX) 』
¥6,000+税
SDRSW-75
2019年11月15日リリース
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2018年にスタートしたスローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズ、その第4弾としてリリースされた作品をまとめたボックスが登場!本ボックス〈Strings & Percussion〉には『Environmental Percussion Vol.1』『Environmental Percussion Vol.2』『Crocidura Dsi Nezumi』『Material H2』『Ecobondage (Another Mix)』『Enclosure』の6作を収録。“Environmental Percussion”と呼ばれるアイデアや弦を用いた新たな自作楽器によるアコースティックなサウンドに焦点が当てられ、メルツバウ独自の「弦と打楽器」の用法が堪能できる作品群となっている。
<作品概要>
2018年よりスタートしたメルツバウの未発表/発掘音源を収めたアーカイブ・シリーズ、その4つ目のシリーズは1987年の録音をメインに構成された『Environmental Percussion Vol.1』『Environmental Percussion Vol.2』『Crocidura Dsi Nezumi』『Material H2』『Ecobondage (Another Mix)』『Enclosure』の6作であった。そしてそれらをまとめたボックス作品がこの〈Strings & Percussion〉である。
このシリーズではメルツバウ独自の“Environmental Percussion”と呼ばれるアイデアを音楽的に具現したものが集められている。このアイデアは1982年の『Material Action for 2 microphones』の頃から存在し、具体的には部屋の床や壁を叩いたり、身の回りの様々なものや、小さな物体をコンタクト・マイクで拾い、増幅し、リバーブやディレイなどの空間エフェクト処理を加える事で獲得される音響を意味する。このアプローチにおける主な使用素材は、発砲スチロールの塊(床などを叩く為に使用)、プラスティック製のカセット・ケースやカード(バイオリンの弓で弾く)、輪ゴム(つまびく)、トイレット・ペーパーの芯(吹く)、ガス・ストーブやテーブル・ランプ(メタル・パーカッション)等で、歪んだエフェクト加工によるノイズとは異なる機微と手触りを持ったアンプラグドな雑音が発せられる。『Material Action for 2 microphones』においてはこの手法はノイズ的なサウンドを獲得する目的で用いられていたが、後の『Ecobondage』(1987)、『Storage』(1988)といった時期の作品ではより音楽的なかたちで用いられており、今回のシリーズでリリースされる音源もそのほとんどは87年に録音が行われている。
加えてこの時期の録音には、トタン製の衣装ケースの内側にピアノ線、ギター弦、スプリングなどを張り、それをバイオリン・ボウで弾いて発音する新しい自作楽器が用いられている。この楽器はトタンの箱の中に様々なオブジェクトを入れて揺さ振ったりしてメタル・ジャンク的な音を出すことも可能な仕様だが、この時期の録音では主に弦楽器的なサウンドを発する用途で用いられ、このサウンドとEnvironmental Percussion、更にエレクトリック胡弓、横笛、縦笛などの響きを適時ミックスすることによって最終的な作品が形作られている。
正にタイトル通り、メルツバウ独自の「弦と打楽器」の用法が堪能できる作品群であり、前シリーズ〈Loop & Collage〉とは異なるいわばアナザーサイドの試みに焦点を当てたシリーズといえるだろう。
よろすず
Track List:
CD-1 Environmental Percussion Vol.1
CD-2 Environmental Percussion Vol.2
CD-3 Crocidura Dsi Nezumi
CD-4 Material H2
CD-5 Ecobondage (Another Mix)
CD-6 Enclosure