MERZBOW
『Cat Of Shell Vol.1』
¥2,000+税
SDRSW-78
2020年1月17日リリース
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スローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズは第7弾がスタート!このシリーズでは1996年から1998年にかけての発掘音源がリリースされる。本作『Cat Of Shell Vol.1』はもともと同タイトルでのリリースのために制作されたものの未発表となっていた音源。秋田氏からいただいた情報によると、本作のマスターとなったDATのindexには『Cat Of Shell』と『1930』の記載があったため後にリリースされたアルバム『1930』(Tzadik)にも関係する音源だと思われるが詳細は未確認となっている。また、この時期にリリースされたメルツバウ作品のアートワークには近代建築の写真が多く用いられていたため、今回のシリーズのアートワークにも全て1998年頃に秋田氏が撮影した建築物などの写真が使用されている。本作の写真は『1930』と同じく新宿伊勢丹の照明器具。
<作品概要>
これまで6つのシリーズがリリースされているスローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズは第7弾に突入。このシリーズでは1996年から1998年にかけての発掘音源を収めた6作が順次リリースされる。
1996~97年の未発表音源は過去に10枚組CDボックス「Merzmorphosis」(Youth Inc. 2012年)に数多く収録されたが、そちらにはこの時期に制作が行われた『1930』(Tzadik)や『Tauromachine』(Relapse / Release)に関係のあるマテリアルは含まれなかった。そのため後述する経緯から『1930』との関連が伺える本作『Cat Of Shell Vol.1』の音源もリリースされるのは今回が初となる。
本作は96年の録音で、もともと同タイトルでのリリースのために制作されたものの未発表となっていた音源。リリースに際し秋田氏からいただいた情報によると、本作のマスターとなったDATのindexには『Cat Of Shell』と『1930』の記載があったため、後にリリースされたアルバム『1930』にも関係する音源だと思われるが詳細は未確認となっている。『1930』の最終ミックスが行われたのは1997年12月24日であり、その音源は本作とは全く別のものだが、『1930』のMIXは既存のテープをElectro-HarmonixのPolyphazeに通して行われたため、その素材の一部として使用された可能性はあるとのことだ。
内容としてはシンセサイザーによるサウンドが前面化してきた時期の録音であるため、まずはそれによる高密度のノイズサウンドが大きな特徴となっており、反復音が巧く耳を引くバランスで鳴り続ける場面などからはテクノの影響なども伺えるが、2、3曲目では金属による発音をメインとしていた時期を思わせるひび割れたサウンドも聴き取れ、それらが一挙に畳みかける終盤の音響的な厚みが凄まじい。
また、この当時秋田氏は近代建築 (主に東京の関東大震災復興建築)に凝っており、この時期にリリースされた作品のアートワークにはそれらの写真が多く用いられ、作品のヴィジュアル面で欠かせない要素となっていた。そのため今回のシリーズのアートワークにも全て1998年頃に秋田氏が撮影した建築物などの写真が使用され、本作『Cat Of Shell Vol.1』の写真は『1930』と同じく新宿伊勢丹の照明器具の写真となっている。
よろすず
Track List:
01. Cat Of Shell Part 1
02. Cat Of Shell Part 2
03. Cat Of Shell Part 3