MERZBOW
『3rd Of May Vol.1』
¥2,000+税
SDRSW-96
2020年9月18日リリース
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スローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズは第9弾がスタート!今回のシリーズでは2001年から2003年にかけての未発表音源がリリースされる。この時期はメルツバウのコンピューターを用いた作風の中でも知名度の高い『Dharma』(2001)、『Merzbeat』(2002)、『A Taste Of…』(2002)などの作品が発表された時期にあたる。1曲45分の中でこの時期のメルツバウ作品での特徴といえる独特の崩れたような音像を生み出すデジタルエフェクトの炸裂や、反復音が前景化するグルーヴィーな場面が表れ、他にも四方八方から飛び交うドラムサンプルのようなサウンドの使用や終盤での大胆な音のカットを組み込んだループなどが耳を引く。
<作品概要>
これまで8つのシリーズがリリースされているスローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズは第9弾に突入。今回のシリーズでは2001年から2003年にかけての未発表音源がリリースされる。
99年から00年代半ばまでメルツバウの制作においてはコンピューターがメインとなっているが、2001~2003年はこの作風の中でも知名度の高い『Dharma』(2001)、『Merzbeat』(2002)、『A Taste Of…』(2002)などの作品が発表された時期にあたる。
本作には2003年5月3日の録音を収録。
2003年5月は他作品では『Cycle』(2003)、『Merzbird』(2004)、『Tamago』(2004)などの録音がなされていた時期となるが、本作は中盤で四方八方から飛び交うドラムサンプルのようなサウンドや終盤での大胆な音のカットを組み込んだループなど、特に『Tamago』に通じる要素を随所で聴き取ることができる。
1曲45分という収録形態のため他にもこの時期のメルツバウ作品での特徴といえる独特の崩れたような音像を生み出すデジタルエフェクトの炸裂や、反復音が前景化するグルーヴィーな場面も味わうことができ、更に最終盤で表れる四つ打ちも非常に耳を引く。
周期的なフィルターの動きや機械的なサンプルループなど様々なかたちで反復の要素を内在させているラップトップ期の作風の中に、この時点で明確にドラムを連想させるサウンドが取り入れられ始めていることは以降の作風の変化を捉えるうえでも重要だが、同時にこのドラムを思わせるサウンドが本作においてはビートとしてではなく散発的に(あるいは即興的に)鳴らされている点も興味深い。
よろすず
Track List:
01. Tubular Waves 4548