SDRSW99 Merzbow『Sphere Sessions』

MERZBOW
『Sphere Sessions』

¥2,000+税
SDRSW-99
2020年10月16日リリース

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スローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズは第10弾がスタート!今回のシリーズでは2004年から2005年にかけての音源がリリースされる。メルツバウは2005年の後半頃からライブでラップトップに加えて自作楽器やアナログ機材を併用するようになるため、本シリーズの時期は1999年から試みられたラップトップのみでの演奏/制作の到達点と捉えられるだろう。本作『Sphere Sessions』は2005年にTzadikからリリースされたアルバム『Sphere』のアウトテイクとロング・ミックスを収めた一作。Tzadik主宰のJohn Zornから伝えられた「ドラムを使用した作品をリリースしたい」との要望に答え、当時は使用していなかったドラムを演奏、サンプリングして制作された貴重な作風となっている。

<作品概要>
これまで9つのシリーズがリリースされているスローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズは第10弾に突入。
今回のシリーズでは2004年から2005年にかけての音源がリリースされる。
この時期メルツバウは『Merzbird』、『Sphere』、『Turmeric』などをはじめ膨大な数の作品を発表し多くの海外公演を行うなど多忙であり、完成された状態で未発表となっていた音源は少なかったため、今回のシリーズでは主にライブ用のリハーサル音源を編集したものが収められている。リハーサル音源ではライブを想定した楽曲構成がとられており、当時のライブで繰り返し使用されていたパターンも含まれていたが、重複する部分は編集でカットされ作品としての個別性は確保されている。ライブのリハーサル音源以外では当時ごく少数しかリリースされなかった作品からの再収録や既発曲のロング・ミックス、アウトテイク等が収録されている。
メルツバウは2005年の後半頃からライブでラップトップに加えて自作楽器やアナログ機材を併用するようになるため、本シリーズの時期は1999年から試みられたラップトップのみでの演奏/制作の到達点と捉えられるだろう。また、2003年から思想的にVeganになった関係で音楽制作のテーマもVeganarchism (Vegan Anarchism)へと向かい、アートワークやタイトルなどにも動物のモチーフが数多く登場するようになる。
本作『Sphere Sessions』は2005年にTzadikからリリースされたアルバム『Sphere』のアウトテイクとロング・ミックスを収めた一作。
『Sphere』はIkue Moriを通じてTzadik主宰のJohn Zornから伝えられた「ドラムを使用した作品をリリースしたい」との要望に答えて制作されたもので、同時期にメルツバウが自発的に制作した音源とは作風に相違がある。当時のメルツバウはドラムを使用した作品は制作していなかったため、押入れからスネア・ドラムを取り出し部屋の片隅でいくつかのパターンを叩いて録音し、それをサンプリングして制作されている。
収録された複数のテイクで硬質なスネアドラムのサウンドが様々に援用/変形されノイズと絡み、インダストリーな響きを生み出しているが、元々の演奏サンプルが持つフィーリングのためか囃子的な賑やかさを纏って響いてくる時間も少なくない。ドラムの使用という点ではメルツバウが後に試みるドラムとノイズ音響が即興的に並走する作風に通じるともいえるが、本作はあくまでサンプリング素材としての使用という方法が取られているため全く異なったサウンドが生み出されている。

よろすず

Track List:
01. Sphere Pt.1 (Another Take 1)
02. Sphere Pt.1 (Another Take 2)
03. Sphere Pt.1 (Another Take 3)
04. Fragment
05. Sphere Pt.3 (Long Mix)