2010年01月 アーカイブ

2010年01月10日

FANFARLO

FANFARLO

ザック・コンドン ( Zach Condon ) 率いるベイルート( Beirut ) の東欧への ” ジャズ的なるもの " への憶い、そのデカダンスとロマンティックなサウンドは、トランペット、ウクレレ、ピアノ、オルガン、パーカッション、アコーディオン、マンダリン、ヴァイオリン、チェロからなるオーケストラル・ネオ・フォークだが、去年からこうしたロックの文脈にある音楽に魅了され始めている。彼らに続いて興味を持っているバンドはロンドンを拠点に活動しているFanfarloで、スウェーデン人のリード・シンガー/ソングライターSimon Balthazar ( サイモン・バルサザール ) 率いる、トランペット、ヴァイオリ
FANFARLO / RESERVOIR ( FAN001LP)
ン、クラリネット、チェロ、フィドル、マンドリン、ウクレレ、のこぎりなど広範囲な楽器を使ったベイルートにも似たオーケストラル・ネオ・フォーク・ミュージックを展開している。2006年から2008年までに、3枚の限定盤シングル " Talking Backwards " 、" Fire Escape " 、 " You Are One Of The Few Outsiders Who Really Understands Us / In The Trunk "
と、1枚の7インチ・シングル " Drowning Men / Sand And Ice " をリリースし、2008年の暮れにアメリカ/コネチカットのTarquin Studiosで録音されたアルバム " Reservoir " を、2009年4月にセルフ・リリースしている。メンバーはSimon Aurell (guitar, vocals, keys, mandolin, saxophone, clarinet, glockenspiel ) 、Justin Finch (bass, vocals ) 、Leon Beckenham (Keys, Trumpet, glock, melodica ) 、Cathy Lucas (violin, keys, mandolin, glock, vocals, saw ) 、Amos Memon (drums, percussion, vocals) 、現在はバンドを脱退したMark West ( guitar, keys, vocals, accordion, fanfarlophone, noise ) から成る。彼らの音楽にも流れている東欧的な民族音楽に裏付けられた無国籍なサウンド・スケープは、クラブジャズの先端でも起こっている " 魔法のようなジャズ" にも、どこかで繋がっていて、無意識に惹き付けられる。ロック的なるもの、ロックの文脈にある21世紀のあるべき態度と音楽について、色々と、最近考えることが多い。ロックにおける最終的に到着した終着駅は80年代中期の、マイク・オールウェイズの究極のモダン・バロキスム=エル ( el ) ・レーベルで、ボクにとってのロックとは、ある一定の美的構造のなかにあるポスト・モダンなもので、ある種、寓話的で、時代意識というか世相風俗を内包したものが、70年代以後ロックにとりつづけたスタンスだった。Beirut やFanfarloの音楽は、どちらかと言えば、80年代後半に中断したロックの文脈にカテゴライズされるアフター・elレーベルといったものだが、2010年、クラブミュージックもムラトゥ・アスタトゥケのような地中海や、あるいはカリブ海に面した地域や、バルカン半島、東ヨーロッパのユダヤ人のクレズマー音楽にみられる民族音楽に裏付けられた無国籍な" 魔法のようなジャズ " に傾倒しているが、彼らのオーケストラル・ネオ・フォーク・ミュージックと、そうしたクラブ系の先端音楽が、どこか深いところで繋がっているように思えて仕方ない。最近、ロンドンのインディ・ポップ・シーンでは、彼らの他にもSufjan StevensやThe Arcade Fireなどの同じタイプのバンドが注目されつつある。

Fanfarlo | The Walls Are Coming Down

**The video for 'The Walls Are Coming
Down' (the second single from our debut album 'Reservoir') featuring the classic Houdini upside-down strait jacket escape. Please visit fanfarlo.com for more music, videos, blog etc. Directed by visual artists Iain Forsyth & Jane Pollard (www.iainandjane.co.uk). Filmed at Hangar Arts, London. Escape by Ros Walker.

Fanfarlo cover Smashing Pumpkins "We Only Come Out At Night"
http://www.youtube.com/watch?v=P6pa3q117Y4

Fanfarlo Home Page
http://fanfarlo.com/home

http://www.fanfarlo.com/video

FANFARLO / RESERVOIR ( FAN001LP)
side one: 1. I'm A Pilot
Ghosts
Luna
Comets
Fire Escape
side two: The Walls Are Coming Down
Drowning Men
If It Is Growing
Harold T. Wilkins, Or How To Wait For
A Very Long Time
Finish Line
Good Morning Midnight
produced by Peter Katis and Fanfarlo
recorded and mixed by Peter Katis at Tarquin Studios Bridgeport, Connecticut
additional recording by Greg Giorgio at Tarquin Studios, Paul Jones at Random Colours, Simon Throught at Soup Studios
and Simon Balthazar in the Bedroom
cello on 'i'm A Pilot' , 'Drowning Men' and 'If It Is Growing' by Linnea Weiss
additional instruments by Peter Katis
mastered by Greg Calbi at Sterling Sound, New York
cutting engineer: Mandy Parnell
all songs written by S. Balthazar, L. Beckenham, J. Finch, C. Lucas, A. Memon, M. West
www.fanfarlo.com
photography by Lilja Birgisdottir
designed by Sarah Hopper
+
includes album on CD
FANFARLO 2009

Fanfarlo - I'm A Pilot (live at The Faversham)
http://www.youtube.com/watch?v=jkHxaSOiOMw

Fanfarlo - Ghosts (Live at Troubadour)
http://www.youtube.com/watch?v=THWvd65cO_4

Fanfarlo - Luna (live at Kung Fu Necktie) 9/20/09
http://www.youtube.com/watch?v=id7B5_KOD2Y


**Fanfarlo - "Luna" (live at Kung Fu Necktie) 9/20/09 in Philadelphia, PA

Fanfarlo - Comets (live)
http://www.youtube.com/watch?v=I9-qhvzlsvw

Fanfarlo - Fire Escape @ The Troubadour 9/15/09
http://www.youtube.com/watch?v=_iDwYulRP8g

Fanfarlo - Drowning Men (live at The Faversham)
http://www.youtube.com/watch?v=JpEL-fyokow

If It Is Growing - Good Morning Midnight & If it is Growing
/ Audra's performance at This Ain't Egypt 2009

http://www.youtube.com/watch?v=Yp8nxP6pG1o

Fanfarlo - Harold T Wilkins, Or How to Wait For A Very Long Time (Acoustic)
http://www.youtube.com/watch?v=HTwErvgjuU8

"Finish Line" acoustic version
http://www.youtube.com/watch?v=COhZRNhl4y0

FANFARLO / DROWNING MEN - SAND AND ICE ( MOMO 20 )
A: Drowning Men
AA: Sand And Ice
produced by Peter Katis and Fanfarlo
Drowning Men and Sand and Ice recorded and mixed by Peter Katis at Tarquin Studios,
Bridgeport Connecticut,
cello on Drowning by Linnea Weiss
mastered by Greg Calbi at Sterling
Sound, New York
all songs written by S. Balthazar, L. Beckenham, J. Finch, C. Lucas, A. Memon, M. West
photography by Lilja Birgisdottir
MOSHI MOSHI RECORDS 2009

Fanfarlo - "Ghosts" and "Sand and Ice" (The Independent in Austin 12.02.09)

元旦、年明けはこの10年来、いつものようにひとり部屋で過ごし巣ごもりしていた。5日の夜に外の空気を触れにちょこっと3時間ほど外出しただけで、ファイナルファンタジーXIIIでゲーマーと化していた。若い頃から年賀状をボクは出さない主義なので、くるのをあてにしていないが、今年も松岡正剛氏からいただいたくらいでさびしいものだった。いつもはくるミュージシャン関係からのおめでとうメールも今年は少なかったな。ボクだけではなく、2010年は、もっと人間関係がどんどん疎遠になる年だろう。みんな自分の家族や自分さえ幸せならいいという空気が充満しているのだ。似ているといえば80年代中期の空気に近い。ボクのブログを読んだある女性から、" 阿木さんの着眼通り、これからは人でも音楽でも暗い気分に寄り添ってくれるものを、みんな求めていくような気がします。癒しなんかじゃ癒されない暗さがあり、でもそれに寄り添ってくれる気分にそぐう音楽があれば、そこも居心地が良いかな・・ " というメールが届いた。そう,この時代と、人々の暗さは2番底以上に人生 上経験したことのないもので、もはや救いようもない。今日も1日、何事もなく・・か。ボクはといえば、そうした時代に背中を向け、心ある音楽ファンもいるだろうと、信じながら、今年もせっせせっせと、 " 野良(のら)かせぎそこへ兎が飛んで出て ころり ころげた 木のねっこ 待ちぼうけ 待ちぼうけしめた これから寝て待とか待てば獲ものは 駆けて来る兎ぶつかれ 木のねっこ " という心境で、日ごとにページを見に来る訪問者が増え続けている " Oblique Strategies " での、レコード・アーカイブに没頭して、いつかデータベース構築まで持ち込めたらなどと、金にもならない呑気なこと考えているw。 ( 写真は新年5日の車内から見た御堂筋イルミネーション、幻想的だったよ )

« 2009年12月 | メイン | 2010年02月 »

About 2010年01月

2010年01月にブログ「talkin' about nu things」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2009年12月です。

次のアーカイブは2010年02月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35