2009年02月 アーカイブ

2009年02月01日

LOVE RECORDS / FINN JAZZ

LOVE RECORDS
FINN JAZZ
JIMI TENOR
ASTRO CAN CARAVAN

フィンランドのLove Recordsを知ったのは70年代にヴァージンレコードからリリースされたWigwamの " Nuclear Nightclub "というアルバムでだった。それはプログレッシヴ・ロックの延長線上で知ったもので、他にはPekka Pohjolaの" Harakka Blaloipokku "などのアルバムがリリースされていて、イギリスやアメリカのジャズロックに影響されたサウンドで、当時はイギリスのプログレッシヴと比較すると、それほど印象に残らないものだった。
VARIOUS / LOVE JAZZ 1966-1977 ( LOVE RECORDS LXLP 658 )
70年代のフィンジャズに関してはそれくらいの知識しかないのだが、印象としては、伝統的ジャズにトラッド、クラシックの要素を併せ持ったハイブリッド・ロックというイメージが強かった。しかし調べてゆくうちにラヴ・レコードやフィンジャズだけではなく、スカンジナヴィアン・ジャズもかなり奥の深いパノラマが形成されている。このアルバムはLove Jazzの'66-'77ま
での作品がコンパイルされたものだが、フィンランドのサックス奏者Eero Koivistoinen、フリージャズ系テナーサックス奏者Juhani Aaltonen 、Sahko/ Jazz Puuからも " Grandma's Rockinchair "というアルバムをリリースしているジャズファンクのOlli Ahvenlathti、サイケデリック・フォークやプログレッシヴ・ロックのシンガー・ソング・ライターPekka Streng、Jazzpuuから "Day Is Over "というアルバムを発表しているコンポーザー、
トランペッタのMike Koskinen 、ラテン系の血をひくPaquito D'Rivera、'39年フィンランド/タンペレ生まれのミュージシャン、作曲家Otto Donnerなどの曲で構成されている。Harri Mannerのデザインによるハートマーク・ロゴが使われたラヴレコードは、ジャズからポリティカル・ソング、民族音楽を横断したLP384、EPシングル24、カセットテープ253作品をリリースしており、'66年にジャーナリストAtte Blom、ジャズドラマーChristian
Schwindt、包括的に音楽をとらえる個性的人物Henrik Otto Donnerによって設立された。最初のリリースはKaisa KorhonenのヴォーカルによるKaj ChydeniusのLPで、続いてロック系のBlues Section、その後Suomen Talvisota、Pekka Streng、Rauli Badding、 Somerjoki, Hector、Hurriganes、Dave Lindholm、 Juice Leskinen、 Kaseva、Maaritなどフィンランド・ロックバンド、フィンランド・
プログレッシヴロックのWigwamやTasavallan PresidenttiなどのLPが立て続けに発売された。他にはフィンランド語で歌われるブレヒト/ワイルのキャバレータイプの政治的なKaisa KorhonenやAulikki Oksanen、Kristiina Halkolaなどの作品もリリースされている。しかしラヴレコードは、13年間の活動を経て'79年に破産している。日本からこのアルバムとは違った編集がされているRicky-Tick Records Presents " LOVE JAZZ 66-77"(TACM-
0003)というCDがリリースされている。

VARIOUS / LOVE JAZZ 1966-1977 ( LOVE RECORDS LXLP 658 )
A: 1. Olli Ahvenlahti - Grandma's Rocking Chair
2. The Otto Donner Treatment - Lähtisin Taas Matkalle
3. Otto Donner Element All Stars - Haka Blues
4. Eero Koivistoinen Quartet - Meat & Potatoes
5. Pekka Streng - Puutarhassa
B: 1. Mike Koskinen - Burnside
2. Paquito D'Rivera - Stella By Starlight
3. Juhani Aaltonen & Otto Donner - Niin Vähän On Aikaa
4. Otto Donner - Avaruuslaulu
compiled by Antti Eerikainen
liner - notes & sleeve by Anti Eerikainen
mastered by Otto Donner & Esa Santonen at DER. additional mastering by Bo Kondren at Calyx
cover photo of Juhani Aaltonen and Otto Donner by Timo Kelaranta
LOVE RECORDS 2008

Rick - Tick Records Presents LOVE JAZZ 66 - 77 ( TACM - 0003 )
1. Havana Two - Olli Ahvenlahti 2. Meat & Potatoes - Eero Koivistoinen Quartet 3. Countenance - Olli Ahvenlahti 4. Burnside - Mike Koskinen 5. Niin Vahan On Aikaa - Juhani Aaltonen & Otto Donner 6. Labyrinth pt.1 - Eero Koivistoinen 7. Grandma's Rocking Chair - Olli Ahvenlahti 8. Sunwebs - Mike Koskinen 9. Lahtisin Taas Matkalle - The Otto Donner Treatment 10. Stella By Starlight - Paquito D'rivera 11. Puutarhassa - Pekka Streng 12. Hues - Mike Koskinen 13. Avaruuslaula - Otto Donner
SIBONEY 2008
エーリカイネンの選曲はさすがに時代感覚の鋭さを感じるほどに素晴らしいコンパイルがなされている。Finn Jazzの魅力はここにありといった感だ。

Olli Ahvenlahti - The Poet

Pekka Streng - Puutarhassa
http://www.youtube.com/watch?v=3koT52CgYjc&feature=related

Eero Koivistoinen - Five Blue Tones
http://www.youtube.com/watch?v=AN1pKX0s0qk

Christian Schwindt Sextet live 1964
http://www.youtube.com/watch?v=GpGFDshm_uc

Grupo Irakere - Bacalao Con Pan
http://www.youtube.com/watch?v=T8m1Lfu7-2g
キューバのラテン・ファンク・ジャズ・ビッグバンドだが、Love Recordsからこんなアルバムもリリースされていた。

******

ASTRO CAN CARAVAN / THE NAGUAL JULIAN ( RT 026 )
A: 1. The Nagual Julian
B: 1. Athatoolagooloo
2. Cosmo Jones
Otto Eskelinen ( alto sax, bass clarinet, keyboards )
Joakim Berghall ( soprano, alto & baritone sax )
Pauli Lyytinen ( tenor & bass sax )
Tomi Kosonen ( tenor sax )
Tuomas Eriksson ( trombone )
Pharaoh Piettikangas ( guitar, percussion )
Pentti Dassum ( guitar, astral effects )
Tuomo Kuure ( double bass )
Rasmus Pailos ( drums & percussion )
recorded at altai8 studio january 25-27, 2007 by pt
produced by astro can caravan
RICKY TICK RECORDS 2009
2001年にイースタン・フィンランドで結成された Otto Eskelinen、Tomi Kosonen、Pharaoh Pirttikangasが中心的メンバーのAstro Can Caravanは、サックスやトロンボーンの多管楽器編成によるユニットだが、古代のエチオピアからフィンランドの自然と原始に影響されたサウンドがその特徴だ。スピリチュアル・ジャズとはいえ、そこにはロックの文脈も見え隠れするサウンドだ
http://www.myspace.com/astrocancaravan

JIMI TENOR & KABU KABU / 4TH DIMENSION ( PUU - 35 LP )
A: 1. Aligned Planets 2. Mystery Spot 3. Global Party 4. Triple Helix
B: 5. Grind! 6. Mogadishu Ave 7. Mega Roots
C: 8. Me I Say Yes 9. Floating Orange 10. El Lahti! 11. Kolmikanta
D: 12. Fast Legs 13. Higher Styx 14. Magical World
Jimi Tenor: vocals, sax, flute, string
machine, synth, noise box, organ
Ekow Alabi Savage: drums, percussion, vocals
Akinola Famson: percussion, vocals
Patrick Frankowski: bass, percussion
Kalle Kalima: guitar
Ilkka Mattila: guitar
Jukka Eskola: trumpet, vocals, handclaps
Jay Kortehisto: trombone, handclaps
Daniel Allen Oberto: trumpet, vocals, percussion
Hilary Jeffery: trombone
Mariamu Morris: vocals
Djatou Touré: vocals
Tero Lindberg: trumpet
Aleksi Saraskari: tuba
global party, aligned planets, higher styx, mogadishu ave., me i say yes, mystery spot, grind, triple helix records by Jochen Stroh at lovelite, mixed by Jimi Tenor, except magical world, triple helix and kolmikanta mixed by Jochen Stroh
fast legs, mega roots, ham on ham,el lahti!, floating orange recorded by Jimi Tenor here and there and mixd/ edited at tatamirage studios
graphic design Vilunki and TG
SAHKO RECORDINGS 2009
ジミ・テナーのスピリチュアルなアフリカン・マジックワールドが、腐った果実が熟すように円熟してきた。食べごろに美味しい音楽だ。フィンランド、サッコレーベルからの最新作2枚組は、サイケデリック・ソウル、アフリカン・ファンクのパーカッシヴ・グルーヴが渦巻いている。フィンジャズの勢いはFCQにしても、リッキーチックにしても、ジミ・テナーにしても現在のクラブジャズ・シーンを一手に牛耳ってしまうほど一種の大きなムーヴメントとなっているようだ。恐らくこうした動向に続けとばかりフィンランドには多くの若いミュージシャンたちが手ぐすね引いて出番を待っているのだろう。そうだといいね。

JIMI TENOR & KABU KABU / MYSTERY SPOT ( SAHKO -002 )
A: Mystery Spot
B: Black January
SAHKO RECORDINGS 2008



jaz' room nu things stuff
ブッキングのお問い合わせなどは彼らにご連絡下さい
平野隼也 rollcall@i.softbank.jp
中島康佑 ei_zo-sedai@docomo.ne.jp

2009年02月06日

ROSALIA DE SOUZA " D'IMPROVVISO "

PEGGY MOFFITT
60年代、ペギー・モフィット ( Peggy Moffitt ) というファッション・モデルがいた ( 後に詩人 ) 。写真家ウィリアム・クラクストンとの不倫、結婚というロマンティックな話題もあったが、それ以上に彼女の長いつけマツゲと濃いアイ・メイクアップと、ファイヴ・ポイントと呼ばれたヘアースタイル ( ニッポンの歌舞伎のメイクアップからヒントを得たという ) は、スキャンダラスでキラキラ・サイケの60年代という自由な時代の空気に満ちあふれていた。クラクストンとの写真集" The Rudi Gernreich " 、ドキュメンタリー映画 " Jazz
Seen " 、20歳の新進気鋭のカメラマンの日常から60年代ロンドンのポップカルチャーを描いていた作品ミケランジェロ・アントニオーニ( Michelang elo Antonioni )の映画 " 欲望 " ( Blow-up、1966年、英)で彼女の顔が見られるが、なんといってもブルーノートのLou Donaldson " Mr. Shing - A - Ling " のジャケット写真に使われているモデルが彼女だというほうが分かりやすいだろう。また、 '66年に制作されたウィリアム・クライン( William Klein ) のフランス映画 " Who Are You, Polly Magoo? "は、ブルックリン生まれの20歳のパリのファンションモデル、ポリー・モグーに扮したドロシー・マガウアン ( ヴォーグのカヴァーガール) 主役のドキュメンタリータッチの映画だが、そこにもペギー・モフィットの姿がみられる。

60's fashion peggy moffitt

Qui êtes-vous, Polly Maggoo?
http://www.youtube.com/watch?v=xccHBvEZcgQ&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=cQ4geMUx6bQ&feature=related

ニナ・リッチのサングラスをかけたイタリアのブラジリアン・シンガー、ロザリア・デ・ソーザ ( Rosalia De Souza ) のニュー・アルバム " D' improvviso " のジャケット写真をみていたら、ついペギー・モフィットや、アンディ・ウォーホルの60年映画に数多く出演していた60年代のファッション・アイコン、イーディ・セジウィック( Edie Sedgwick ) などの、60年代ファッションのことをイメージしてしまったのだが、おそらく60年代後半のモードは、今後もクラブジャズ・シーンやロックシーンでもたびたび再構築されることだろう ( 一時モンドテイストの再構築もあったが、あれはダサい。もっと音楽的にジャズ的なるものの要素のつよい) 。ロザリア・デ・ソーダの今回のアルバムは、イタリア国内で2万枚以上のセールスを記録したというマリオ・ビオンディのアルバム "Handful Of Soul "をプロデュースしたルチアーノ・カントーネが担当し、バックにはファブリッツォ・ボッソをはじめとするハイ・ファイヴ・クインテットのメンバーらが固め、ブラジリアン・シンガー、トコも作曲とヴォーカルで参加している。全体的には人生への愛を歌う過去のブラジリアン・ミュージックの伝統を崩すことなく、それに加え60年代テイストのボサノヴァ、アフロジャズ、ポップといった感の音楽だ。ブガルーの影響がみられる " カロライナ・キャロル・ベラ "、 リズムン・ブルースの “ Luiza Manequim ”、アフロジャズ風の " Amanha ” などなど、セクシーで色気のある音楽が収録されている。余談だが、若い頃ボクのかけていた真っ黒なサングラスもニナ・リッチ製だったw。

ROSALIA DE SOUZA / D'IMPROVVISO ( SCLP 443 )
A: 1. Banzo 2. Candomblé 3. D'Improvviso
B: 1. Carolina Carol Bela 2. O Cantador 3. Opiniao 4. Ondina
C: 1. Sambinha 2. Quem Quiser Encontrar O Amor 3. Samba Longe 4. 5 Dias De Carnaval
D: 1. Luiza Manequim 2. Amanha 23. Bossa 50
Rosalia De Souza – Vocals
Luca Mannutza – Piano
Fabrizio Bosso - Trumpet
Max Ionata – Tenor Saxophone
Gianfranco Marchesi – Trombone
Pietro Ciancaglini - Double bass
Lorenzo Tucci - Drums
Roberto Rossi - Percussion
Simone Hagglag – Bongos and Congas (track 02)
Sandro de Bellis - Congas Toco – Vocals (tracks 02, 08, 09)
SCHEMA RECORDS 2009

Rosalia De Souza - "Carolina Carol Bela"
http://www.youtube.com/watch?v=zs1-VpBqC8c
Jorge Ben e Toquinho - Carolina Carol Bela
http://www.youtube.com/watch?v=oBXfpFzTNCE&feature=related

Rosalia
http://www.myspace.com/rosaliadesouzampb

**おまけ
60's Fashion

*80年代の初めに中村とうよう氏が、 " 音楽をブティックで買うな "と、まあ、ボクの編集していた雑誌 " ロックマガジン " を批判するような評論をニュー・ミュージック・マガジンで書いていたことがある。それに対しての返答として、ぼくは新衣装音楽というコンセプトを作り、ロックマガジンで特集を組んだことがある。clothes music、 " 音楽をブティックで買っておいで " と。我々の聴く音楽なんて、洋楽のジャズ、ロック、クラシック、民族音楽であれ、なんであれ、すべてが借り物の衣装を身につけるような行為だ。ただ現在は、ミュージシャンやオーディエンスが、すこしはロックやジャズという衣装の着こなしをうまくマスターできるようになったというくらいのものだ。そこに我々の存在証明、アイデンティーなどはないのだ。

2009年02月27日

三田村管打団? !!

ジャズ的なるものの発生、ジャズの最初の形態が、即興演奏にあるのなら、 " 三田村管打団? " のブラスバンド・ミュージックの源も、まさにディキシーランド・ジャズのそれにある。
ニッポンのジャズミュージシャンの作品を聴いても感動するものなど、数少ないが、17名ものメンバーからなる " 三田村管打団 " のニューアルバムでの、" マンモス"を聴いていると、まさにタイトル通り象の嘶きにもにた強烈な息吹が、こっちに唾も一緒に飛んで来るんじゃないかと思うほどにダイナミックで始源的でもある。彼らの音楽こそ、"Jazz"以前の"jass"なのかも。
三田村管打団? " !! " ( CN -0019 )
13本の管楽器から生まれる熱いブローと、4本のドラム/パーカッションから生まれる三田村管打団 ?グルーヴは、幸せのストリート・パレードとお祝いの儀式の広場から流れてくるノスタルジックでメランコリックなサウンドスケープだが、時には " お母さんお願い”に聴かれるブルガリア民謡の悲しいサウンドも含まれている。いま、フっと、思い出したが、こうしたサウンドは、子供の頃、熱に魘されて布団に寝
ているときに、遠くから微かに聞こえくる外で遊ぶ子供達のふざけ笑い騒ぐ声にも似ている。どこか夢うつつで幻想的でもある。しかし、とんでもない森本アリという素敵な奴が関西にはいるものだ。この大所帯をまとめるのも大変だろうに。彼らの昨夜のjaz' room " nu things " のリリースパーティには都合が悪く顔見せできなかったけれど、森本クンCDありがとう。キミの音楽を聴く度に、音楽はホント楽しくなきゃって、思い知らされるし、ブリキ玩具のトランペットを吹く子供心も忘れちゃおしまいだと、気付かされます。誰が言ったか知らないが、この世に生まれてきたのは、幸せになるため。毎日がお祭り気分で、みんなが幸せで、三田村管打団?のようなストリート・ジャズが流れていたらこの世も天国!。

三田村管打団? " !! " ( CN -0019 )
1.Bayern 2. Koppepan 3. Yama Yama 4. Qui Nem Jilo 5. Mammoth 6. Alvorada 7. Molih Ta, Majcho I Molih 8. Travel
飯野弥生 alto saxophone / 井上まり alto saxophone / 松浦有希子 alto saxophone / 亀井奈穂子 clarinette / 泉川美和子 flute / 平岡新 trumpet / 森本アリ trumpet, slide trumpet / 安川マナミ trumpet / 廣田智子 trombone / 不動翔子 trombone / 吉野竜城 trombone / 塩田遥 tuba / 河村光司 tuba / 池田安友子 percussion / 坪内敦 percussion / 塩入基弘 drums / 光田臣 drums
recorded, mixed, mastering by 西川文章
artwork: 小田島等 / design: 小田晶房
COMPARE NOTES 2009

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