THE FIVE CORNERS QUINTET/HOT CORNER EP
THE FIVE CORNERS QUINTET/HOT CORNER EP(RT023)
今年の後半に発売されるだろうファイヴ・コーナーズ・クインテットのセカンド・アルバムに先駆けて10インチEP「HOT CORNER EP」がリリースされた。このEPには3曲が収録されていて、リッキーチックのオフィシャルホ
ームページでは、「ロカビリーにインスパイアされたアップビートでドライヴィングするダンスフロア・ジャズ"Hot Rod"は、ジーン・ヴィンセントがウェイン・ショーターとコラボレートしたならこうしたサウンドを構築しただろう。"Shake it"は爪先立つダンスフロア・ナンバー。バカラックがStaxレコードのために曲を作ったなら、キミが"イェィ"と手拍子したくなるようなメロディックで多才なインストゥルメンタル・トラック”Easy Diggin'"のようなブガルー・テイストの曲を作っただろう」というコピーがうたわれている。ファイヴ・コーナーズ・クインテットのメインマンでありコンダクター・プロデューサーのトーマス・カリオの現代のクラブシーンの置かれた状況と空気感を読む感性、それを音楽に転換する着眼点と発想はやはり並みのものではなかった。ハードバップとロカビリーの融合"Hot Rod"のハード・ロカバップの1曲だけでもワクワクさせてくれる素晴らしいEPだ。トーマス・カリオは、FCQの今回の再出発について、「'05年に発売された"Chasin' the Jazz Gone By"は、
クラブ空間に機能する新しい角度のポストモダン・ジャズというメソッドだった。でも今回はロカビリーとロックンロールにあるザラザラした荒削りのサウンドにしたかったし、ファーストアルバムがクールなら、セカンドアルバムはきっとホットなものになるだろう」と語っている。おそらくファイヴ・コーナーズ・クインテットという彼のネクスト・プロジェクトへの美意識はダイナミックに変容して表われてくることだろう(現在進行形のFCQプロジェクトは数人のゲスト、ヴォーカリスト、ヴィブラフォン、弦楽器などのセクションも加える計画もあると語っている)。楽しみだな。FCQの登場でジャズの新たな概念作用がもたらされ4年もの時間が経過したが、nu jazzやFinn Jazzが発展していき、クラブフロアがジャズグルーヴで熱くなってきた、と、いうこともなく、ただ、やっと最近になって耳の肥えたレコードリスナーがFinn Jazzの良さに気付きはじめた頃かも知れない。いまのうちにこの周辺のレコードは押さえておいたほうが賢明だぜ。
THE FIVE CORNERS QUINTET/HOT CORNER EP(RT023)
A:Hot Rod(T.Kallio)
AA:Shake It(T.Makynen)
AAA:Easy Diggin'(T.Kallio)
produced,arranged and recorded by Tuomas Kallio at Nuspirit Helsinki Studios
mastered by Bo Kondren at Galyx Mastering
illustration by Sanna Paananen/www.pekkafinland.fi
lay-out by Antti Eerikainen
Timo Lassy(tenor sax) Jukka Eskola(trumpet) Mikael Jakobsson(piano) Antti Lotjonen(bass) Teppo Makynen(drums & percussion) Tuomas Kallio(commander in chief)
RICKY-TICK RECORDS 2008
The Five Corners Quintet
http://www.myspace.com/thefivecornersquintet
http://www.ricky-tick.com/thefivecornersquintet
ON THE SPOT VOL.2- A PEEK AT THE 60s DANISH JAZZ SCENE(RT022)
リッキーチックからの新作もう1枚は"ON THE SPOT VOL1 - A Peek At 1960's Nordic Jazz Scene"に続く第2弾ON THE SPOT VOL.2 – A Peek At The 60s Danish Jazz Scene"が発売された。60年代のデンマークシーンから表出したJazz Quintet 60"Vacker flicker"、 Sahib Shihab"Charade"、Pedro Biker"Wives And Lovers"、Bent Jaedig“B's waltz” 、Axen & Wissing“Hilsen fra Peter”などが11曲コンパイルされたもの。編集したのは
Povoの片割れであるAnders-Peter Andreasenで、彼は最近ダニッシュ・ジャズのジャケット・カヴァー集「Cool Scandinavians」も出版しており、スカンジナヴィアン・ジャズに関して精通したレコード・コレクターでもある。その彼のコレクションのなかからベストのものがコンテインされている。50年代前半にモダンジャズが発展したビバップから始まったデンマークのジャズシーンは、小さいながらも活気がありサックスのMax Brüel、ベースのErik Moseholm、 トランペットのJørgen Rygなどのミュージシャンがいた。その後、'61年にコペンハーゲンにニューヨークやパリのクラブに似た最初のジャズハウス"Montmartre"がオープンしたことによって発展していき、サクソフォーン奏者のスタン・ゲッツとベーシストオスカー・ペティフォードは1958年以来コペンハーゲンに住み、サクソフォーン奏者のSahib Shihab、デクスター・ゴードン、ベン・ウェブスター、およびピアニストのケニー・ドリューなど、多くの外国人ミュージシャンもそれに続きコペンハーゲン・ジャズ・シーンに関わり賑わいをみせていたという。選曲は前作よりもこのコンパイル・アルバムのほうが勝っている。
ON THE SPOT VOL.2-A PEEK AT THE 60s DANISH JAZZ SCENE(RT022)
A:1.Jazz Kvintet 60:Vacker Flickor 2.Finn Mickelborg's Quintet:Bennie7s Groove 3.Erik Moseholm,Bent Axen & Peter Wissing:Hilsen fra Peter 4.Finn Savery:Night and Day 5.Louis Hjulmand Quartet:Opbrud 6.Bent Jaeding:B's Waltz
B:1.Max Leth:Taboo 2.Cy,Maia & Robert:City Blues 3.Sahib Shihab:Charade 4.Bjarne Rostvold:Folk Music 5.Pedro Biker:Wives and Lovers
compiled & produced by Anders-Peter Andreasen
mastered by Thomas Hass at MCS,additional mastering by Svante Forsback at Chartmakers & Bo Kondren at Calyx Mastering.
sleeve by Antti Eerikainen
photos by Jan Persson
cover photo:Jazzhus Montmartre
RICKY-TICK RECORDS 2008
※正確なカウンターはされていないけれどこのnu thingsのホームページのアクセス解析を調べてみると、5月では次のような利用統計がでている。(左の数字が平均/右が最大)
一時間あたりのヒット数 1025 5717
一日あたりのヒット数 24605 35262
一日あたりのファイル数 13631 19950
一日あたりのページ数 9531 14251
一日あたりの訪問者数 1039 1313
一日あたりのKBytes数 289712 483788
このなかで、いったい何人の人間がFinn Jazzやnu jazz系のレコードを買っているのだろう。これ以外に聴くものなどないというのに、ところで、いったいキミはいまどんなレコードを聴いているの? このアクセス数がそのままクラブシーンやjaz' room "nu things"に反映されることを願っているよ。