remodel 18 NISHIMURA ALIMOTI『SHIBOU』

発売日:2020年10月16日
定価:¥2,000(-税別)
品番:remodel 18

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NISHIMURA ALIMOTI
SHIBOU

1 Bunbunbae
2 Hyojyo No Uta
3 Inkasanka
4 Rogan
5 Lock And Role
6 Yasai Ga Kirai
7 Ninshiki Yoso
8 Moeagaru Chukinto
9 Nakayubi Tomare
10 Reito Shokki
11 Tori Ga Tonda Rarara
12 Zesshyo

remodel 18
16.Oct 2020 release
2.000yen+tax

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1981年にVanity Recordsよりカセットテープでオリジナルがリリースされた西村有望のソロ名義NISHIMURA ALIMOTIによる『SHIBOU』が初の単独CD化。レーベル主宰の阿木譲が「民族音楽的なインダストリアル・ミステリィ・ミュージック」と評したように、密室性を感じさせる音像や呻きのような声、軋むようなギターなどの退廃的なサウンドを有していながらも重い足取りの(かつ時折トライバルな)ドラム演奏がどっしりと居座る楽曲が多く、それらは虚ろなダンス・ミュージックといった仕上がりだ。

<作品概要>
1981年にVanity Recordsよりカセットテープでオリジナルがリリースされた西村有望のソロ名義NISHIMURA ALIMOTIによる『SHIBOU』が初の単独CD化。
1978年に設立され、パンク以降の価値観で活動する新たなバンドや、バンド活動を経た音楽家のオルタナティブなアプローチなど、同時代の先鋭的な音楽動向をいくつかの側面から捉えてみせたVanity Recordsであるが、1981年からのリリースでは“INDUSTRIAL MYSTERY MUSIC=工業神秘主義音楽”という方向性が強く打ち出される。
この方向性を宣言したのがロック・マガジン編集部に送られてきた多数のカセットテープから厳選された音源を収録した1980年12月リリースのコンピレーションアルバム『MUSIC』であり、単独の作品としてそのヴィジョンを示してみせたのが1981年3月にLPでリリースされたtolerance『divin』であったが、以降のレーベル作品では時代の先端の音楽動向をよりスピード感を持って伝えるためカセットでのリリースが選択されることとなり、本作もこの文脈と形態で発表された。
本作のオリジナルは単独でのリリースもなされたが、“時代の風景としての騒音群”という意味を込め発表された『ノイズ・ボックス』という6本組のカセット・ボックスの一部としても世に出ている点が興味深い。
本作『SHIBOU』はロック・マガジン編集部に送られたデモ音源の時点ではタイトルは日本語で『脂肪』と表記されており、その他の曲名の表記も同じく日本語であった。またその内容もギター、ベース、ドラム、声による宅録バンド的な音楽であり、『ノイズ・ボックス』内の他作品とは様々な点で異なった感性が感じられる。
レーベル主宰の阿木譲が「民族音楽的なインダストリアル・ミステリィ・ミュージック」と評したように、密室性を感じさせる音像や呻きのような声、軋むようなギターなどの退廃的なサウンドを有していながらも重い足取りの(かつ時折トライバルな)ドラム演奏がどっしりと居座る楽曲が多く、それらは虚ろなダンス・ミュージックといった仕上がりだ。一方でプライベートな雰囲気の「Tori Ga Tonda Rarara」なども収められており、作品全体を通じて「スタジオに入って音を作らなくても作れる音楽をカセット・テープに録音してほしい。それとももっと私的な個人的な音楽とかね」という阿木譲の発言が思い起こされる。

よろすず