SDRSW50 Merzbow『Jinrinkinmouzui』

Merzbow
『Jinrinkinmouzui』

¥2,000+税
SDRSW-50
2019年2月15日リリース

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メルツバウのアーカイブシリーズ、1979~1981年までの『Early Sessions』、1982~1984年までの『Early Cassettes』に続き、1984年からのシリーズがスタート。まずは1984~1986年までの6作品が順次リリースされる。
本作には80年代メルツバウの作品でも最も著名な一作といえる『抜刀隊 with Memorial Gadgets』収録曲の別テイクや、そのアルバムの元となったカセットからの音源などを収録。氏のテープコラージュ手法の到達点となった一作の成り立ちを解き明かす重要な記録に是非耳を通していただきたい。

<作品概要>
本作『Jinrinkinmouzui』は3本の未使用カセット・マスターから抜粋された音源によって成り立っている。
(1)は「人倫訓蒙図彙」というタイトルがつけられていたカセットの片面で、アルバム『抜刀隊 with Memorial Gadgets』(1986)収録の’Wild Animal & Polyhedral Garden’の別テイクである。本作のタイトルもこのカセットからとられた。
(2)-(4)は『抜刀隊 with Memorial Gadgets』の元となったカセット作「Master」のB面である。
(5)は今回のシリーズの『Batztoutai Mix』に収録されている「Batztoutai (Another Mix)」の収められていたカセットのもう片面である。冒頭のギターは水谷聖の素材を使用している。
本作品の制作時期に当たる80年代半ばはMerzbowにとって、Throbbing Gristleの登場以降に世界中に起こったインダストリアル・ムーブメントとの共振を感じさせつつ、テープを中心とした多彩な音源の使用、機械的なループの援用と歪んだ音色の徹底的な過激化によって独自のインダストリアル・ノイズのスタイルを確立させた時期であり、そのキャリアにおける最初の到達点ともいえる。
中でも複数のバージョンが存在する『抜刀隊』は氏のキャリア中でもテープコラージュ/コンクレートな作風の極点を示す一作と評価されており、それに何らかの形で紐づいた音源でまとめられた本作の存在によってその価値や歴史的位置づけはより確かなものとなるだろう。
80年代のメルツバウがいかにしてテープ・ミュージックのハードコアに至ったか、その足取りを知る絶好の音源の登場だ。 よろすず

Track List:
01. Jinrinkinmouzui(Wild Animal & Polyhedral Garden – Another Mix)
02. Moby Dick
03. Battle
04. Sun Organ
05. Ugly Radio