remodel 08 KENTARO HAYASHI『PECULIAR』

KENTARO HAYASHI
『PECULIAR』

¥2,300+税
remodel 08
2020年9月18日リリース

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「rock magazine」を創刊し常に新しい音を紹介していた音楽評論家の阿木譲が立ち上げたenvironment 0g [zero-gauge]にて、イベントを主催しているKENTARO HAYASHIは、晩年の阿木からモダニステックな先端音楽の流れに触れている。edition.nordからリリースされた阿木譲 Bricolage Archiveシリーズや、Vanity Tapes: Box Set / Cassette editionの編集とマスタリングを担当し、Kyou RecordsからリリースされたVanity Records関連や、Slowdawn RecordsからリリースされているMerzbowのマスタリングを担当している。今回リリースされるアルバムも自身によるマスタリングである。アンダーグラウンドな現場で先端音楽を吸収し、本作にて放たれた悪夢のようなサウンドは、バリエーションに富んでおり、ジャンルを超えた作品となっている。

<作品概要>
ライブで使用していたハードウェアのサンプルデータを元に全てを再構築した本作は、有機的で強靭な音響が交錯する作品となっている。阿木譲とスタジオワープ=Slowdown Recordsにより立ち上げられたレーベル“remodel” より先にリリースされた2枚組のコンピレーション「a sign 2」(品番: Remodel 07) のラストを飾る楽曲がKENTARO HAYASHI の“GARGOUILLE”である。こちらにはライブ音源に近いバージョンが収録されている。続く本作「PECULIAR」(品番: Remodel 08) では同じ“GARGOUILLE”が1曲目に収録されているが、こちらは更に複雑にレイヤーされた新バージョンとなっており、より深く壮大となったこの楽曲は、本作を代表する世界観となっている。また、シカゴ音響派のJim O’Rourke、世界に誇るノイズアーティストMerzbowによるリミックスが収録されており、本作を厳格で崇高なもにしている。ジャケットはedition.nordの秋山伸との共同デザインによるもので、ライナーノーツはPEPERLANDの能勢伊勢雄が手がけている。

以下抜粋

“KENTARO HAYASHIのsubstratum音響は柔らかい機械だ。バロウズの「世界を律しているのは音でパターンとしての聴覚」であるという、あるいはガタリのそれぞれの組織や諸機械を具えて蠢いている宇宙の卵胞=器官なき身体かも“
阿木譲 2017.09.28

コロナの感染以上に我々は”恐怖に感染”している。そのような心理的なダメージを暖めていくのが音楽やアートが果たす使命であり、テクノミュージックは誕生以来Science fact的予感をはらむ音楽であった。この系譜に属するKENTARO HAYASHIの『PECULIAR』はディストピアに漸近する世界の傷ついたエーテル体を治癒し、哲学者のアンリ・ベルグソンが述べた「エラン・ヴィタール(生命の跳躍)」を準備する音楽である。
能勢伊勢雄 2020.07.15

Track List:
1 Gargouille
2 Vakuum
3 Peculiar
4 Octagon
5 Odyssey
6 Basilica
7 Vakuum (Jim O’Rourke Remix)
8 Gagouille (Merzbow Remix)