SDRSW128 Merzbow『Drum & Noise』(6 CD BOX)

MERZBOW
『Drum & Noise』(6 CD BOX)

¥6,600(with tax)
SDRSW-128
2021年8月20日リリース

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2018年にスタートしたスローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズ、その第12弾としてリリースされた作品をまとめたボックスが登場!本ボックス〈Drum & Noise〉にはメルツバウがドラム演奏を取り入れた作風を展開した2008~2009年の音源を収めた『Drumorph』『Ensemble Drums』『Arijigoku (Test Mix)』『Red Brick』『Groon Lesson』『Pi-Eggplant』の6作を収録。秋田昌美は元々サイケデリックやプログレッシヴ・ロックをはじめ70年代のフリー・ミュージックに大きな影響を受けたドラマーであったが、メルツバウとしてはドラムの使用はあえて避けられていたため、Merzbow単独名義での作品における本格的なドラムの使用はこの時期が初めてである。本ボックスの収録作には本格的なドラム使用の兆しが伺えるものから、本格的なドラム使用の中での変化を捉えたものまでが収められており、この時期のドラム使用のアプローチに関わる流れを概観できる内容となっている。

<作品概要>
2018年よりスタートしたメルツバウの未発表/発掘音源を中心に収めたアーカイブ・シリーズ、その第12シリーズはメルツバウがドラム演奏を取り入れた作風を展開した2008~2009年の音源を収めた『Drumorph』『Ensemble Drums』『Arijigoku (Test Mix)』『Red Brick』『Groon Lesson』『Pi-Eggplant』の6作であった。そしてそれらをまとめたボックス作品がこの〈Drum & Noise〉である。
秋田昌美は元々サイケデリックやプログレッシヴ・ロックをはじめ70年代のフリー・ミュージックに大きな影響を受けたドラマーであったが、メルツバウとしては(70年代後期の水谷聖とのデュオ時代や80年代初頭のMerzbow Nullでのドラム演奏を除き)ドラムの使用は避けられていたため、Merzbow単独名義での作品における本格的なドラムの使用はこの時期が初めてである。
メルツバウのこういった作風の作品では2008年から2009年へとまたがり1年かけて13作がリリースされた「13 Japanese Birds Series」(Important Records)が有名なところだが、そのきっかけは2008年4月、London公演の翌日にTin Pan Alley Studiosで行われた英Cold Springからリリース予定の新アルバムの為の録音作業であった。その際スタジオにあった生ドラムを録音しコンピューター・ノイズと合成するという手法がとられ、以降の本格的なドラム使用の端緒となる(この録音は『Anicca』(Cold Spring, 2008)へ収録された)。帰国後にはこのドラムを用いた作風はコンピューター音源だけでなく即興的なノイズと組み合わせたものへと発展し、これが『Arijigoku』(Vivo, 2008)、『Protean World』(Noiseville, 2008)、『Microkosmos』(Blossoming Noise, 2009)と続く一連の作品となっていく。
また同時期に秋田氏はハンガリーのドラマーBalazs Pandiと出会い、彼とのデュオで海外公演を頻繁に行うようになる。音楽的な背景に多くの共通項を持つドラマー(メタル、グラインドコア系だけでなくSun Raやフリージャズにも精通)との出会いによって、メルツバウが希求していたドラム演奏を取り入れたスタイルは以降このデュオを基本に追求されていくこととなり、Merzbow単独ではドラムレスな音楽(ドラムが入っていても非即興的なスタイル)へ戻っていくため、秋田氏自身のドラム演奏が用いられたこの時期の音源は貴重といえるだろう。
本ボックスの収録作にはコンピューターを主体としつつドラムをサンプリングして用いたいわば本格的なドラム使用の兆しが伺える音源から、貸しスタジオで録音された生ドラムの演奏とノイズの並走を試みた音源、そしてRolandのV-Drumsを使用することで全工程をMunemihouseで完結させた音源などが収められ、このアプローチに関わる流れを概観できる内容となっている。

よろすず

CD1 Drumorph
CD2 Ensemble Drums
CD3 Arijigoku (Test Mix)
CD4 Red Brick
CD5 Groon Lesson
CD6 Pi-Eggplant