SDRSW54 Merzbow『Environmental Percussion Vol.1』

Merzbow
『Environmental Percussion Vol.1』

¥2,000+税
SDRSW-54
2019年4月19日リリース

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メルツバウのアーカイブシリーズ、『Early Sessions』『Early Cassettes』『Loop & Collage』に続く4つめのシリーズがスタート。今回のシリーズでは部屋の床や壁を叩いたり、身の回りの様々なものや、小さな物体をコンタクト・マイクで拾い、増幅し、空間エフェクト処理を加える事で獲得された音響を意味する“Environmental Percussion”と呼ばれるアイデアを音楽的に具現したものが集められている。アイデアをそのままタイトルに用いた本作はその手法による音響がプリミティブなかたちで収録されており、アンプラグドな傾向の強い実験的な作風が披露される。

<作品概要>
本シリーズで中心的に取り上げられる“Environmental Percussion”のアイデアは1982年の『Material Action for 2 microphones』の頃から存在し、具体的には部屋の床や壁を叩いたり、身の回りの様々なものや、小さな物体をコンタクト・マイクで拾い、増幅し、リバーブやディレイなどの空間エフェクト処理を加える事で獲得される音響を意味する。このアプローチにおける主な使用素材は、発砲スチロールの塊(床などを叩く為に使用)、プラスティック製のカセット・ケースやカード(バイオリンの弓で弾く)、輪ゴム(つまびく)、トイレット・ペーパーの芯(吹く)、ガス・ストーブやテーブル・ランプ(メタル・パーカッション)等で、歪んだエフェクト加工によるノイズとは異なる機微と手触りを持ったアンプラグドな雑音が発せられる。『Material Action for 2 microphones』においてはこの手法はノイズ的なサウンドを獲得する目的で用いられていたが、後の『Ecobondage』(1987)、『Storage』(1988)といった時期の作品ではより音楽的なかたちで用いられており、今回のシリーズでリリースされる音源もそのほとんどは87年に録音が行われている。加えてこの時期の録音には、トタン製の衣装ケースの内側にピアノ線、ギター弦、スプリングなどを張り、それをバイオリン・ボウで弾いて発音する新しい自作楽器が用いられている。この楽器はトタンの箱の中に様々なオブジェクトをいれて揺さ振ったりしてメタル・ジャンク的な音を出すことも可能な仕様だが、この時期の録音では主に弦楽器的なサウンドを発する用途で用いられ、このサウンドとEnvironmental Percussion、更にエレクトリック胡弓、横笛、縦笛などの響きを適時ミックスすることによって最終的な作品が形作られている。本作は元々カセット4chマスターであったものを、新たに2chにMixした音源。80年代半ばには細かなテープコラージュと歪んだ響きを用いて多くの作品を生み出したメルツバウだが、ここに収められているのはアンプラグドな傾向の強いサウンドと比較的長いスパンの演奏を切り刻まずにそのまま用いる編集からなる明確にアナザーサイドの試みといえる音源であり、常に音の実験としての側面を宿すメルツバウの活動が新たなフェイズに入ったことを感じさせる。 よろすず

Track List:
01. EP22887Mix
02. EP87mix