SDRSW59 Merzbow『Enclosure』

Merzbow
『Enclosure』

¥2,000+税
SDRSW-59
2019年6月21日リリース

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メルツバウのアーカイブシリーズ、『Early Sessions』『Early Cassettes』『Loop & Collage』に続く4つめのシリーズでは秋田昌美が独自に考案した“Environmental Percussion”と呼ばれる手法が用いられた作品がリリースされる。本作は87年リリースのアルバム『Ecobondage』のラスト曲「Contraction」の流れをくむ音源。弦、打楽器などのアコースティックなサウンドに加えミキサー・フィードバック・ノイズが用いられており、波のようにうねり荒ぶる電子ノイズとアコースティックな雑音がせめぎ合う刺激的な内容となっている。

<作品概要>
本シリーズで中心的に取り上げられる“Environmental Percussion”のアイデアは1982年の『Material Action for 2 microphones』の頃から存在し、具体的には部屋の床や壁を叩いたり、身の回りの様々なものや、小さな物体をコンタクト・マイクで拾い、増幅し、リバーブやディレイなどの空間エフェクト処理を加える事で獲得される音響を意味する。このアプローチにおける主な使用素材は、発砲スチロールの塊(床などを叩く為に使用)、プラスティック製のカセット・ケースやカード(バイオリンの弓で弾く)、輪ゴム(つまびく)、トイレット・ペーパーの芯(吹く)、ガス・ストーブやテーブル・ランプ(メタル・パーカッション)等で、歪んだエフェクト加工によるノイズとは異なる機微と手触りを持ったアンプラグドな雑音が発せられる。『Material Action for 2 microphones』においてはこの手法はノイズ的なサウンドを獲得する目的で用いられていたが、後の『Ecobondage』(1987)、『Storage』(1988)といった時期の作品ではより音楽的なかたちで用いられており、今回のシリーズでリリースされる音源もそのほとんどは87年に録音が行われている。加えてこの時期の録音には、トタン製の衣装ケースの内側にピアノ線、ギター弦、スプリングなどを張り、それをバイオリン・ボウで弾いて発音する新しい自作楽器が用いられている。この楽器はトタンの箱の中に様々なオブジェクトを入れて揺さ振ったりしてメタル・ジャンク的な音を出すことも可能な仕様だが、この時期の録音では主に弦楽器的なサウンドを発する用途で用いられ、このサウンドとEnvironmental Percussion、更にエレクトリック胡弓、横笛、縦笛などの響きを適時ミックスすることによって最終的な作品が形作られている。本作は87年リリースのアルバム『Ecobondage』のラスト曲「Contraction」の流れをくむ音源。前述の打楽器類、弦などのアコースティックなサウンドに加えミキサー・フィードバック・ノイズが用いられており、波のようにうねり荒ぶる電子ノイズとアコースティックな雑音がせめぎ合う刺激的な内容となっている。 よろすず

Track List:
1. Enclosure
2. Scarabe
3. Interline no 1-3