SDRSW63 Merzbow『Crash For Hi-Fi Tapes』

Merzbow
『Crash For Hi-Fi Tapes』

¥2,000+税
SDRSW-63
2019年7月19日リリース

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これまで4つのシリーズが発表されているメルツバウのアーカイブシリーズ、第5弾となる本シリーズではこれまであまりアーカイブなどの機会に収録されてこなかった1991年の録音が中心的にリリースされる。「Crash For Hi- Fi」は1991年のCD作『Great American Nude / Crash For Hi-Fi』に使用されたタイトルだが、本作に収録されているのはそちらとは別の音源。ただし本作の1曲目に使用されたオリジナル・テープには「Crash For Hi-Fi」と記載があったため同セッションの音源であることは間違いないようだ。レコードのスクラッチやサンブリングがコラージュ的ではない新たな手法で使用されている点が大きな特徴で、特に1曲目ではそれが大胆なかたちで聴きとれる。今回のリリースに際し新たにミックスとマスタリングが行われている点にも注目。

<作品概要>
「Crash For Hi- Fi」は1991年のCD作『Great American Nude / Crash For Hi-Fi』に使用されたタイトルだが、本作『Crash For Hi-Fi Tapes』に収録されているのはそちらとは別の音源となっている。ただし本作の1曲目に使用されたオリジナル・テープには「Crash For Hi-Fi」と記載があったため同セッションの音源であることは間違いないと思われる。本シリーズで中心的にリリースされる1991年の作品の特徴として、レコードのスクラッチやサンブリングが1980年代の『抜刀隊』の時のようなコラージュ的ではない新たな手法で使用されている点が挙げられる。それは具体的にはNextやDigitech社製のサンプリング・ディレイの導入によってもたらされた、よりリズミカルでカットアップ的な使用法である。当時の作品は4chの複数のカセットの他に2chの複数のカセット、更に生演奏などをライブでカットアップし、ミックスすることで制作されていたが、今回はその素材となったテープ(ほとんどは4chのカセット)がカットアップなどを行わずほぼ未編集のまま使用されている。また、当時はTASCAM Porta Twoを使用してミックスが行われていたが、現在はその機材がないためTASCAM MFP-01を使用して新たなミックスが行われた。サンプリング・ディレイの使用が大胆なかたちで聴きとれる1曲目、ひび割れたノイズが縦横無尽に暴れまわる2曲目、より雑多な音源が投げ込まれカオティックな様相となる3曲目とそれぞれに異なる要素が耳を引くが、息継ぎなしに猛然と突き進むようなラウドさは共通している。 よろすず

Track List:
01. May 91 Hi-Fi Mix
02. 91~~~Mix
03. 1991 A1