SDRSW73 Merzbow『Chameleon Body』

MERZBOW
『Chameleon Body』

¥2,000+税
SDRSW-73
2019年12月20日リリース

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スローダウンによるメルツバウのアーカイブ・シリーズ、第6弾となる今回のシリーズではメルツバウの中でも知名度や評価の高い作品が立て続けに発表された1993年から1995年の音源を収めた6作がリリースされる。本作『Chameleon Body』は1995年の録音で、最初の9分程は50枚組のBox作〈Merzbox〉内の『Red Magnesia Pink』というディスクにおいて既に「Chameleon Body」というタイトルで収録されている。Merzbowは80年代初頭の一部作品を除いてこれまで意図的にシンセサイザーを使用していなかったが、この作品では1994年の後半に購入したEMS Synthi ‘A’が使用されている。

<作品概要>
スローダウンによるメルツバウのアーカイブ・シリーズ、第6弾となる今回のシリーズでは1993年から1995年の音源を収めた作品がリリースされる。この時期は『Metalvelodrome』『Noisembryo』『Hole』『Venereology』『Pulse Demon』などメルツバウの中でも特に知名度や評価の高い作品の制作やリリースが行われた時期であり、近年再発も積極的に行われている。
今回のシリーズはこれまでのシリーズで多かったカセット・マスターではなく全ての作品でDATマスターが使用され、新たにリマスターを施すというかたちで制作されている。DATマスターはカセットをマザー・テープとして一応作品としてMIXされている状態の物であるため、カセット音源に比較すれば完成度は高いといえる。そのため小品集なども含む本シリーズの作品はたとえ長時間の演奏であっても展開などの面でタイトにまとまっている印象が強い。
本作『Chameleon Body』は1995年の録音で、最初の9分程は50枚組のBox作〈Merzbox〉内の『Red Magnesia Pink』というディスクにおいて既に「Chameleon Body」というタイトルで収録されている。
Merzbowは80年代初頭の一部作品を除いてこれまで意図的にシンセサイザーを使用していなかったが、この作品では1994年の後半に購入したEMS Synthi ‘A’が使用されている。その後、MerzbowはEMS Synthi ‘A’ やEMS VCS3を頻繁に使用するようになる。
シンセの導入により金属などの素材と過激なエフェクトをメインに構成されていたこれ以前の作風に比するとロウな音の質感や時に歪なバランスで複数の響きがぶつかり合うような印象はやや後退し、より明瞭に空間を隅まで埋める電子ノイズの密度に圧倒される。シンセ購入からそれほど時間の経っていない時点での録音であるが、他のメタルなどの素材による過激なサウンドに引けを取らない非常に存在感のある響きが既に作り出されており、それらの見事な拮抗に新たなメルツバウ・サウンドの誕生を聴き取ることができる。

よろすず

Track List:
1. Chameleon Body Part.1
2. Chameleon Body Part.2