SDRSW87 Merzbow『Tentacle (1st Mix)』

MERZBOW
『Tentacle (1st Mix)』

¥2,000+税
SDRSW-87
2020年5月15日リリース

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スローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズは第8弾がスタート!今回のシリーズではメルツバウがアナログ機材による創作を止め、コンピューターでの制作に踏み出した1999年の録音がリリースされる。本作にはタイトル通り1999年リリースのアルバム『Tentacle』(アルケミー)の1st Mixを収録。細かい粒子が空間を駆けるようなものからビット落ちしたようなザラついたもの、低域で蠢くものなど様々な質感のノイズサウンドが次々に現れるカオティックな一作。

<作品概要>
これまで7つのシリーズがリリースされているスローダウン・レコーズによるメルツバウ・アーカイブ・シリーズは第8弾に突入。今回のシリーズではメルツバウがアナログ機材による創作を止め、コンピューターでの制作に踏み出した1999年の録音がリリースされる。メルツバウの創作の流れにおいて以降しばらくはコンピューターをメインとした作風が継続するため、この時期の録音はその作風におけるごく初期のものと位置付けることができるだろう。
本作にはタイトル通り1999年リリースのアルバム『Tentacle』(アルケミー)の1st Mixが収められている。
80年代の終わりにライブ活動が活発化して以降のメルツバウの作品では反復音とそれを脅かすような爆発的なノイズという関係性が見い出せるものが多く存在したが、本作では4曲目を除き反復音が聴き取れる場面が非常に少なくなっており、即興的に変化し続けるノイズサウンドが支配的になっている。またノイズの質感も細かい粒子が空間を駆けるようなものからビット落ちしたようなザラついたもの、低域で蠢くものなど様々に変容するため抽象的かつカオティックな印象をもたらす。
一方で4曲目では数種類のノイズの動きがパターン化されループへと転じる構成が前面に出ており、一作の中で非常に強いコントラストが感じられる。
コンピューターを導入して間もない時期の録音ではあるが、それを用いての演奏の方向性として複数のものが端的に示されており、この時期のメルツバウを聴くうえでの重要な要素がコンパクトに詰まった一作といえるだろう。

よろすず

Track List:
01. Untitled
02. Octopus
03. Stormy Tuesday
04. Stormy Wednesday
05. Electric For ICC, Turn