PENGUIN CAFE ORCHESTRA / SIMON JEFFES / BRIAN ENO - OBSCURE RECORDS

obscure no.7
PENGUIN CAFE ORCHESTRA
SIMON JEFFES
BRIAN ENO
「ジャズ的なるもの」からブリティッシュ・ロックへの回顧
CASCADES 50

PERFORMED BY MEMBERS OF THE PENGUIN CAFE ORCHESTRA/MUSIC FROM THE PENGUIN CAFE(OBSCURE no.7)
ペンギンカフェ・オーケストラ、イコール、サイモン・ジェフスは'49年イギリスのサセックス生まれで、13歳の時にギターを弾き始め、高校卒業後、ジュリアン・ビザンチンの下で2年間クラシックギターや音楽理論を学び、その後チズウィックのポリーテクニック音楽部に進んだもののアカデミックな世界が体質に合わず途中退学し、オメガ・プレイヤーズというギルバート・ビベリアンズ・クラシカル・ギター・アンサンブルを結成。このユニットは古典音楽と現代音楽を融合したオリジナル曲をレパートリーとしていた。このころから並行してペンギン・カフェ・オーケストラを結成しているが、そのペンギン・カフェ・オーケストラというバンド名は、'72年、南フランスに滞在していたサイモンが腐った魚を食べてしまい、その時の悪夢に出てきた”ペンギン・カフェ”と言う名前に由来しているらしいが、そうした夢のお告げのような暗示によって音楽への道を歩むことを決心したというから可笑しい。
’76年リリースのオブスキュア7枚目のこのアルバムは、サイドワンの"From The Colonies"から"Pigtail"の7曲は、'74年にZOPFと言うグループ名でレコーディングされた曲で、「ペンギン・カフェ・カルテット」として録音した'76年までの作品とをまとめたものがコンパイルされている。その後、様々なダンスホールやコンサートでの演奏活動や、映画音楽のレコーディングなども行い、1981年7月には2ndアルバム「Penguin Cafe Orchestra」をリリースしている。80年代初頭は坂本龍一とのコラボレーションが多く、"THE Snake and THE Lotus"という曲も残されている。'84年、3rdアルバム「BROADCASTING FROM HOME」リリース。'87年、SIGNS OF LIFEをリリース、これに前後して同年3月にはロンドン・コンベント・ガーデンでのロイヤル・バレエの公演「トリプル・ビル」のハイライトとして「Still Life At Penguin Cafe」が上演される。この作品はこれまでのサイモンの過去の作品8曲を新たにアレンジしたバレエのための音楽として作られたもので、何種類かの擬人動物たちが登場するというユニークなバレエだった。(この"Still Life At Penguin Cafe"のヴィデオは'90年にリリースされている) '87年、ロンドンのROYAL FESTIVAL HALLでコンサートを行い、翌年にこの模様を収録したライブアルバム「WHEN IN ROME...」をリリース。ペンギン・カフェ・オーケストラの音楽がボクのすぐ側にあったのも、やはりこのライヴ録音での'88年の「when in rome...」(EG/EGED 56)までだった。
恐らく彼らの音楽が円熟した最盛期はこの時期だったのだろうと思う。5人編成のクインテットから始めた彼らはこの頃には文字通りオーケストラといえる9人編成で、サウンドの厚みも比較にならない。現在のオシャレなカフェで少人数のお客さんの前で演奏するアコースティックな抜けた軽い音楽のことを、"カフェ・ミュージック"と形容されるが、この言葉の由来はペンギン・カフェ・オーケストラにある。90年代に入ってからの彼らの動向についてボクはまったくなにも知らない。'93年12月最後の作品となる「Union Cafe」をリリースし、そのなかの曲"Cage Dead"が'92年に死亡したJohn Cageに捧げられた曲だということも、サイモン・ジェフスが48才という若さで'97年12月11日に脳腫瘍のためこの世を去ったことも。彼の音楽を当時モーガン・フィッシャーが"ルイス・キャロルやエリック・サティに見られる穏やかな無秩序、それがパームコートの壁紙を思わせる音楽と結合したもの"と語っていたが、ペンギン・カフェ・オーケストラの音楽には一貫して、歪んだ真珠、バロックにみられる折衷主義と、オプティミズムでありながらセンチメンタルな、アンビバレンツな感情が流れている。ようするにサイモン・ジェフスはヒューマニスティックなんだ。彼らの音楽をジャンル分けするなら環境音楽ではなく、ポストモダンな室内楽、植物的な20世紀末のコンテンポラリー・バロックともいえるものではないだろうか。

The Penguin Cafe Orchestra-Air A Danser
http://www.youtube.com/watch?v=4Uimr5SWBHk
“Penguin Cafe Orchestra” video results 1 - 20 of about 103
http://www.youtube.com/results?search_query=Penguin+Cafe+Orchestra&search_type=
http://www.penguincafe.com/

MUSIC FROM THE PENGUIN CAFE
Side1:Penguin Cafe Single
Zopf:a.From the colonies b.In a Sydney hotel c.Surface tension d.Milk
e.Coronation f.Giles Farnaby's dream g.pigtail
Side2:The sound of someone you love who's going away and it doesn't matter Hugebaby Chartered flight
composed by Simon Jeffes
produced by Simon jeffes and Steve Nye
recorded on location between 1974-1976
PENGUIN CAFE QUINTET(the 4 musicians in green clothes)
Helen Leibmann-cello Gavin Wright-violin Steve Nye-electric piano,engineer
Simon Jeffes-electric guitar
ZOPF
Simon Jeffes-guitar,bass,ukelele,quatro,spinet,electric piano,mouth percussion,vocals,cello(sydney motel),cheng,ring modulator
Helen Leibmann-cello Gavin Wright-violin,viola Neil Rennie-ukelele8on Giles Farnaby's Dream) Emily Young-vocals Steve Nye-mixing
Brian Eno-executive production
OBSCURE 1976

WHEN IN ROME...
side one:1.Air A Dancer 2.Yodel 1 3.From The Colonies 4.Southern Jukebox Music 5.Numbers 1
side two:6.Beanfields 7.Paul's Dance 8.Oscar Tango 9.Music For A Found Harmonium 10.Isle Of View8Music For Helicopter Pilots) 11.Prelude And Yodel 12.Giles Farnaby's Dream
Steve Nye:piano,electric piano,harmonium,cuatro
Helen Liebmann:cello Geoffrey Rochardson:viola,bass,ukelele,mandolin,cuatro Bob Loveday:violin Ian Maidman:percussion,bass,cuatro Julio Segovia:percussion Paul Street:cuatro,ukelele,guitars Neil Rennie:ukelele,cuatro Simon Jeffes:guitar,ukelele,bass,cuatro,electric guitar
produced by Simon Jeffes
music composed by Simon Jeffes
EG 1985

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