THE 49 AMERICANS / STEVE BERESFORD / DAVID TOOP / CHOO CHOO TRAIN RECORDS

CHOO CHOO TRAIN RECORDS
THE 49 AMERICANS
STEVE BERESFORD
DAVID TOOP
「ジャズ的なるもの」からブリティッシュ・ロックへの回顧 CASCADES 59

THE 49 AMERICANS/WONDER(CHOO CHO TRAIN CHUG 1)
THE 49 AMERICANS/TOO YOUNG TO BE IDEAL!(CHOO CHOO TRAIN CHUG 2)
レコードのなかに入っている1枚のコピー用紙に彼ら自ら、49アメリカンズは幸せの追求の実験だと語っているように、このハッピーミュージックはアッパーな、当時のデヴィッド・トゥープ周辺の一連のフリー・インプロヴァイズド・ミュージックのダウナーな音楽と対になった裏返しにあるものだ。
スティーヴ・ベレスフォード、デヴィッド・トゥープ、ピーター・キュザックなどが中心となったプロ、アマ混合の49人のメンバーでセッションし、ポスト・パンクとして展開していた。故意に不安定に振る舞い、壊れやすく断片的な即興アヴァン・ポップとも、正統のロックンロールだとも言われてるが、「WONDER」での"That Man"など数曲からは、ジャズ的なるものも聴こえてきて、スカスカのサウンドはスカム的ではあるが、醒めた意識のなかで"ダンスと歌"を促進するという明確な目的を持って構築している。当時、賢明なミュージシャンは誰もがこのようなアンビヴァレンツな二面性を持ち、実験性と商業性を上手に使いこなした活動を展開していた。ロック評論家としてのイメージの強いボクではあったが、実は折衷主義も甚だしく、フリー・インプロヴィゼーションや現代音楽、ジャーマン・エクスペリメンタルなどから、パンク、ポストパンク、ニューウェイヴ、テクノポップ、エレクトロニカなどの産業音楽の二股をかけて、表出してきた先端音楽のすべてをポストモダン的態度で横断し追いながら時代意識を分析し評論していたのだ。
The 49 Anericansの音楽は、アーリー・アメリカンの時代のパッチワーク・キルトの伝統的手法を音楽に応用したパッチワーク・ミュージックであり、カットアップ(継ぎ接ぎ)によるポスト・パンク・ミュージックである。アッパーであれダウナーであっても、すべてがノンセンスな時代だったのだが、70年代中期はイーノのオブスキュアやトゥープのフリー・インプロヴァイズド・ミュージックにみられる、ある意味で鎮静剤を服用するかのような「まったり」「ゆっくり」「うっとり」の、ダウナーな時代だった(当時のダウナー・オタクはノイズに行き着きそれで時間は止まったままになっているが)。それは現在の"誰にも邪魔されず、好きなものに囲まれた快適な日常を維持してゆきたい"という世相に直結しビミュウにリンクしているが、80年代になるとその反動で、事実上、時代は急激に変化してゆき、クラブミュージックに繋がる記号の氾濫するダンスミュージックや歌がメインのポップミュージック(没意味)のアッパーな時代へと突入していったように思われる。需要と供給の原則にのっとって作られたこのThe 49 Americansのハッピーミュージックが、"Happy music doesn't have to be dumb"、ダサいものだとは断定できない。フリー・インプロヴァイズド・ミュージックにはない彼らの音楽的意図が感じられ個人的にはこちらのポップ・ミュージックのほうがより実験的でアヴァンギャルドだと言える。現在の若者にみられるオタク現象には2種類あって、ダウナー・オタクは、内向的でおとなしく見えるが、実は腹の中にドス黒いものを潜ませてたりするタイプと、外交的で明るく見えるが実は打たれ弱く、言動がスベったことをいつまでも気に病んでいたりする面もあるが、周囲を巻き込んで、いつまでも"終らないお祭り騒ぎ"を続けてゆきたいアッパー・オタクがあるが、キミはどっちのタイプ?

WONDER
side a:1.Beat Up Russians 2.that Man 3.Involved In Local Chaos 4.Doubt 5.Edible 6.Should Be More Ideal 7.All The Fun 8.Sounds Like Ska 9.Architecture Stops 10.Don't Sing The Blues 11.Heritage 12.Pledge Of Allegiance
side b:1.Overture 2.Song Of The Peasants(chief Peasant) 3.Tralala(Eldest prince) 4.Dragon Eating Peasants Instr. 5.I Don't Want(Royal children) 6.Let Yourself Go(Impulsive Knight) 7.Digestion Instr. 8.Fairy Tale(King) 9.What You Need(equipped Knight) 10.Digestion Instr. 11.Intellectual Yodel(Theoretical Knight) 12.Pain in The belly(Friendly Knight) 13.Digestion Instr. 14.Ha Ha Ha(Jester) 15.Aye,There's The Battle(Dreamy Knight) 16. Digestion Instr. 17.Yodel Again(Theoretical Knight) 18.Digestion Instr. 19.Fairy Tale(Reprise)(King) 20.Contradictions-The Final(Jester)
recorded by David Toop on Stereo Cassette except live tracks of musical records by Peter Cusack
CHOO CHOO TRAIN RECORDS 1980

TOO YOUNG TO BE IDEAL!
side 1:1.Theme 2.Woe Ballad 3.Yucky Nightclub 4.Love At First Sight 5.Don't Sing The Blues
side rwo:1.I'll Make Yu A Star 2.Love Has Solved My Problems 3.Successful Wonder Glory/Success Turns Sour 4.Big Decision 5.Should Be more Ideal
recorded by David Topp and Max Eastley on stereo casette.
CHOO CHOO TRAIN RECORDS 1980

THE 49 AMERICANS MENBER
Giblet, David Toop, Steve Beresford, Nag, Bendle, Else Watt, Etta Saunders, Eddie Saunders, Lol Coxhill, Peter Cusack, Max Eastley, Jim Wannall, Vanessa Strang, Jenny O'Connor, Vivian Goldman, Viv Albertine, Margot Sangov, Terry Day, Eric Ingham, Nat, Nick Andralojc, Crispin Keable, Mark J, Helena, Taya Fisher, Nick, Keith James, Marie Leahy, Soafi, Igor, Igor's Mum, B. 'T.S.' Publis, Jona B, Giblet's Mum, Phil Sticks, Dominic, Tim, Michael, Mark S., Louis P., Porky, etc.

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